Artist
h.o + 株式会社電通|クリスタ・ソムラー&ロラン・ミニョノー|河口洋一郎|岩井俊雄|鈴木康広|デバイスアート・プロジェクト|岩田洋夫|明和電機|八谷和彦|クワクボリョウタ|稲見昌彦|児玉幸子|平野啓一郎+中西泰人+森野和馬+ケンイシイ|池田亮司|真鍋大度|tEnt(田中浩也+久原真人)|エキソニモ|スズキユウリ|野口靖+安藤英由樹|渡邊淳司+田畑哲稔+安藤英由樹|渡邉英徳|国立天文台4D2Uプロジェクト|JAXA宇宙ステーション(ISS)/「きぼう」文化・人文社会科学利用パイロットミッション|Prix Ars Electronica+[the next idea]受賞者作品
凡例:〈 〉内はアルスエレクトロニカの参加部門・展示名。サイトアドレスは作家ホームページまたは参考URL
h.o + 株式会社電通〈企画展2009〉
http://www.howeb.org/j/works/cap.html
h.o(図子泰三/小川秀明/佐藤水哉/玉川雄一/小川絵美子/由良淳一)+ 株式会社電通(大岩直人/寺本誠/佐々木康晴/栢菅翼)によるユニット。従来型広告の枠組を、ネット社会における新しい広告として解体・再構築する。「SLOGAN GENERATOR」では「スローガンをみんなに解放し、人をメディアにする」を目的に、アルスエレクトロニカ/東京都現代美術館を商品と捉え、それぞれの美術館に興味・関心を持ってネット検索してくる人々の「検索ワード」から、各美術館を言い表すスローガンを大量に自動生成する。そのスローガンを来館者に提示し、それぞれが気に入ったスローガン(缶バッジ等)を「お持ち帰り」して身につけてもらう。人そのものが自分の意志で広告メディアとなり、多様性を持つ新しい広告が展開していく実験が行われる。
h.o+株式会社電通「SLOGAN GENERATOR」©h.o+株式会社電通
クリスタ・ソムラー&ロラン・ミニョノー〈インタラクティブアート〉
http://www.interface.ufg.ac.at/christa-laurent/
日ドナウ年を記念して、オーストリアから海外作家として参加。ATR人間情報通信研究所(京都)招待研究員、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー教授を経て、アルスエレクトロニカ会場でもあるリンツ工科造形芸術大学メディア学部教授を務める。植物学・芸術を専攻したソムラーと、メディア・ビデオを専攻したミニョノーは、1992年から「生命システムとしてのアート」をテーマに人工生命、コミュニケーション、人工現実感の領域で制作している。東京都写真美術館、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、ハウス・オブ・シセイドウなどの国際的な活動、収蔵・受賞多数。代表作に《Interactive Plants Growing》(1992)、《A-Volve》(1994)、《Trans Plant》(1995)、《ライフ・スペイシーズ》(1997)などがある。
クリスタ・ソムラー&ロラン・ミニョノー「Life Writer」©2006, Laurent Mignonneau & Christa Sommerer
河口洋一郎〈コンピュータグラフィックス/コンピュータアニメーション〉
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/~yoichiro/
1952年鹿児島県種子島生まれ。1992年より筑波大学芸術学系助教授、1998年より東京大学大学院工学系研究科・人工物工学センター教授、2000年より東京大学大学院情報学環教授。1975年からCG(コンピュータグラフィックス)に着手し、世界的CGアーティストとして活躍する。1982年国際学会SIGGRAPHで独自の造形理論「グロースモデル」を発表し、一躍世界の注目を浴び、国内外で受賞・展示多数。日本人として初めてアルスエレクトロニカに入賞。第100回ベネチアビエンナーレ日本代表芸術家に選ばれるなど、国際的な活躍のかたわら、反応する情感コミュニケーション「ジェモーション」など、ロボットや複合現実感研究も進める。先端科学技術と伝統芸能を結ぶパフォーマンスや、ロックギタリスト布袋寅泰の東大寺コンサート映像などを手がける。
河口洋一郎「Paradise」©Yoichiro Kawaguchi
岩井俊雄〈インタラクティブアート〉
http://iwaisanchi.exblog.jp/
http://tenorion.exblog.jp/
1962年生まれ。メディアアーティスト。1985年、筑波大学芸術専門学校在学中に第17回現代日本美術展大賞を最年少で受賞後、国内外で多数の作品を発表・受賞し、注目を集める。アルスエレクトロニカでは、坂本龍一との伝説的なライブ「Music Play Images×Images Play Music」(本展で記録映像を上映)で知られる。TV番組「ウゴウゴルーガ」、三鷹の森ジブリ美術館の《トトロぴょんぴょん》や、ニンテンドーDS「エレクトロプランクトン」、ヤマハと共同開発した音と光を奏でる楽器「TENORI‐ON」を手がける。現在では、NHK教育の幼児番組「いないいないばぁっ!」のオープニング映像や、三鷹市立第五小学校での「光のえんぴつ、時間のねんど」など、ふたりの娘の父親として、書籍やブログを通じて親子の創造的な関係を精力的に発信している。
岩井俊雄「マシュマロスコープ」©Toshio Iwai
鈴木康広/東京大学「デジタルパブリックアートを創出する技術」プロジェクト〈同上〉
http://www.digital-public-art.org/airharbor/airharbor.php
[鈴木康広]
1979年静岡県浜松市生まれ。2001年東京造形大学デザイン学科卒業。公園の回転遊具「グローブジャングル」を利用したインスタレーション「遊具の透視法」(2001)の発表をきっかけに、国内外の多数の展覧会やアートフェスティバルに参加。同作でアルスエレクトロニカ2002において入賞展示。デザインの展覧会やイベントにも積極的に参加している。http://www.mabataki.com/
[東京大学「デジタルパブリックアートを創出する技術」プロジェクト・空気の港]
パブリックアートの魅力である造形的な美しさや空間や自然との調和、場所性に配慮した空間演出と、メディアアートの特長である映像や音声を効果的に用いた動的なコミュニケーションや、インタラクティブ性、リアルタイム性を結んだ新しいアートのジャンルとして「デジタルパブリックアート」を提案する。(2009年10月9日-11月3日羽田空港第1第2ターミナルにて展示)
鈴木康広/東京大学「デジタルパブリックアートを 創出する技術」プロジェクト「空気の港」より ©鈴木康広 写真:森本美絵
*科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」研究領域(平成16年〜21年)によって実施されています。
デバイスアート・プロジェクト(参加者:安藤英由樹/稲見昌彦/岩田洋夫/草原真知子/クワクボリョウタ/児玉幸子/土佐信道/八谷和彦/前田太郎/矢野博明)
http://www.deviceart.org/
メカトロ技術や素材技術を駆使して、テクノロジーの本質を見せていく新しい芸術様式。アートとデザインとエンタテイメントの新たな融合を意味し、従来の芸術のパラダイムとは異なった視点を提供していく。人が相互作用をするデバイスそのものが、表現内容になる。茶道、華道などの伝統文化も、デバイスアートのルーツと見ることができる。今回は、安藤、稲見、岩田、クワクボ、児玉、土佐、八谷が参加する。
*デバイスアートは、(独)科学技術振興機構の戦略的創造科学推進事業(CREST)「デバイスアートにおける表現系科学技術の創成」(代表者:岩田洋夫)において推進されています。
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/report/heisei18/pdf/pdf11/11_1/005.pdf
岩田洋夫〈インタラクティブアート〉
http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/
筑波大学大学院システム情報工学研究科教授。(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(CREST)「デバイスアートにおける表現系科学技術の創成」研究代表者。バーチャル・リアリティの研究に従事しており、とくに力覚フィードバック技術の実現とその情報メディアとしての活用に焦点を絞っている。フォース・ディスプレイと呼ばれる、バーチャルな物体の硬さや重さを表現する機械装置や、ロコモーション・インターフェイスと呼ばれる、VR空間における足の歩行感覚を合成する装置を作り、SIGGRAPHで発表多数。アルスエレクトロカでは96–01年にかけて参加・入賞。「センスウェア」展参加でデザイン領域でも活動する。
岩田洋夫「Media Vehicle」©HIroo Iwata
明和電機〈インタラクティブアート〉
http://www.maywadenki.com/
明和電機/土佐信道
1967年兵庫県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科卒業後の1993年、兄・正道とともに明和電機結成。代表取締役副社長就任。2001年、前社長・正道の定年退職にともない代表取締役社長就任。青い作業服を着用し作品を「製品」、ライブを「製品デモンストレーション」と呼び、日本の高度経済成長を支えた中小企業のスタイルで活動する。魚をモチーフにしたナンセンスマシーン「魚器」シリーズ、オリジナル楽器「ツクバ」シリーズ(アルス2003で受賞)やおとぎ話から発想される作品群「エーデルワイス」シリーズを制作し、展覧会やライブパフォーマンス、CDやビデオの制作、本の執筆、作品をおもちゃや電気製品に替えて大量流通させるなど、たえず新しい方法論を模索している。
明和電機「明和電機のナンセンス楽器」©YK/MD
八谷和彦〈ドットネット・現デジタルコミュニティ〉
http://www.petworks.co.jp/~hachiya/hachiya_kazuhiko/Information.html
1966年佐賀県生まれ。メディアアーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業。個人TV放送局ユニット「SMTV」、コンサルティング会社勤務を経て現在に至る。作品には《視聴覚交換マシン》や《見ることは信じること》などの特殊コミュニケーション・ツール・シリーズ、ジェット・エンジン付きスケート・ボード《エアボード》やパーソナルフライトシステム《オープンスカイ》など機能をもった装置が多い。メールソフト《ポストペット》(アルスエレクトロニカ受賞作)の開発者でもあり、ポストペット関連のソフトウェア開発とディレクションを行なう会社「ペットワークス」の代表でもある。
八谷和彦「PostPet」©So-net Entertainment Corporation
クワクボリョウタ〈インタラクティブアート〉
http://www.vector-scan.com/
1971年生まれ。筑波大学大学院修士課程デザイン研究科修了/国際情報科学アカデミー[IAMAS]アート・アンド・ラボ科卒業。1998年から主にエレクトロニクスを用いたデバイス作品の制作を開始する。ガジェットの体裁をとって遊べる作品を心がけつつ、デジタルとアナログ、人間と機械、情報の送り手と受け手など、さまざまな境界線上で生じる現象をクローズアップする。作品制作の他、メーカーとの共同開発なども手がける。SIGGRAPH、アルスエレクトロニカ、文化庁メディア芸術祭など国内外の活動・受賞も多く、日本科学未来館での個展「微笑みトランジスタ」では《ニコダマ》《シ'|フ'|ン》などで好評を得た。www.vector-scan.com/
クワクボリョウタ「シ'|フ'|ン」©Ryota Kuwakubo
稲見昌彦〈アルスエレクトロニカ・センター展示〉
http://inami-lab.kmd.keio.ac.jp/
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。科学技術振興機構 ERATO 五十嵐デザインインタフェースプロジェクトのグループリーダーを務める。東京大学リサーチ・アソシエイト、同大学助手、電気通信大学講師、同大学助教授、マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所客員科学者、電気通信大学知能機械工学科教授を経て、現在に至る。「攻殻機動隊」の光学迷彩を思わせる、透明人間を工学的に実現させた「透明マント」や、アルスエレクトロニカ・センターでも展示された吸い込む感覚を体感できる「体感ストロー」など、ユニークな研究成果を展開する。
稲見昌彦「Surrounding of Firefly」©Masahiko Inami
児玉幸子〈アルスエレクトロニカ・センター展示〉
http://www.kodama.hc.uec.ac.jp/index-j.html
1970年11月鹿児島生まれ。筑波大学大学院博士課程芸術学研究科修了、芸術学博士。電気通信大学人間コミュニケーション学科准教授、メディアアーティスト。竹野美奈子との共作「突き出す、流れる」で、第5回文化庁メディア芸術祭インタラクティブ部門大賞受賞。SIGGRAPH2001での発表以降、磁性流体アート作品を次々と制作し、海外でも活発に発表を行って話題を集め、白い部屋のインスタレーション「脈動する」、磁性流体をウニに見立てた「波と海胆」、「モルフォタワー」シリーズなど、インタラクティブ・インスタレーションと映像による独創的な作品世界を展開している。文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」(国立新美術館)、「Machines and Souls」展(ソフィア王妃芸術センター、スペイン)など国内外で発表多数。
児玉幸子「モルフォタワー」©Sachiko Kodama
平野啓一郎+中西泰人+森野和馬+ケンイシイ〈森野=コンピュータアニメーション〉
[平野啓一郎]
http://www.k-hirano.com/
1975年愛知県生まれ。京都大学法学部卒。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。数々の作品を発表、各国語に翻訳される。近著・長篇小説『ドーン』(講談社)では、宇宙時代の人間性、アイデンティティや愛をとりあげ、メディアテクノロジーにも造詣が深く、短篇《バベルのコンピュータ》ではアルスエレクトロニカを登場させた。中西泰人と《記憶の告白》(「文学の触覚」展・東京都写真美術館)を手がける。
[中西泰人]
http://www.naka.sfc.keio.ac.jp/
1970年大阪生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。慶應義塾大学環境情報学部准教授。感性情報処理、実世界指向インターフェイス、モバイルアプリケーションの研究に従事し、研究の一環としてメディアアート作品の制作や空間デザインを行なう。画像処理による手指認識システム《Narrative Hand》,GPSカメラケータイを用いた《時空間ポエマー》など。本展では、平野作品『ドーン』の象徴的シーンを出現させるインスタレーションを手がける。
[森野和馬]
http://www.stripe.co.jp/home.html
1966年生まれ。CGアーティスト。世界最高峰のCG学会SIGGRAPHで10年間連続入賞を果たすほか、アルスエレクトロニカ準グランプリをはじめ海外での発表・受賞多数。モーションキャプチャーを用いたKEN ISHII「Awakening」、井上陽水「花の首飾り」などPVや印象的なCM作品も多数手がける。本展では、平野作品『ドーン』の立体視による映像化に挑戦する。
[ケンイシイ]
http://www.kenishii.com/
DJアーティスト。学生時代にヨーロッパでデビューを飾り、テクノチャート1位を獲得。世界に発信する音作りのできるパイオニア的存在として、アーティスト・プロデュース、リミックス、映画音楽、CM音楽、DJ、ファッションブランド設立など幅広い活動を展開する。愛知万博瀬戸日本館で森野とコラボレーションを行った。本展では、上記作品空間のサウンドを手がける。
平野啓一郎+中西泰人+森野和馬+ケンイシイ「ドーン」©Stripe Factory
池田亮司〈デジタルミュージック〉
http://www.ryojiikeda.com/
1966年生まれ。パリ在住。電子音楽作曲家/アーティスト。1990年より音楽活動を開始。1995年以降、コンサートやインスタレーション、レコーディングを通してサウンドアート領域において多角的な活動を展開。アルバム「+/-」(1996年)、「0℃」(1998年)や「Matrix」(2000年)は、批評家から最も過激で革新的な現代電子音楽として称賛されている。また、カーステン・ニコライとのコラボレーション・プロジェクトである「Cyclo.」、振付家ウィリアム・フォーサイス(フランクフルトバレエ団)、現代美術家の杉本博司、建築家の伊藤豊雄、アーティスト集団ダムタイプとのコラボレーションなど多方面にわたる活動も行っている。2001年アルスエレクトロニカにおいてデジタルミュージック部門のゴールデン・ニカ賞を受賞。
真鍋大度〈デジタルミュージック〉
http://www.daito.ws/
1976年生まれ。東京理科大学理学部数学科卒業後、プログラマー/システムエンジニアに加え、ターンテーブリストとしても活動を展開。国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)DSPコース卒業後、振動・超低周波を使用した作品制作を行い、国内外で多くのアートプロジェクトに参加している。2004年、ウェブからインタラクティブ・デザインまで幅広いメディアをカバーするプロダクション「ライゾマティクス(rhizomatiks)」の取締役に就任。2009年1月に行われたアルスエレクトロニカ・センター(美術館)のオープニングイベントでは、開館後初のパフォーマンスを担当したほか、センターのLED壁面全体を用いて、ザッカリー・リバーマン率いるYesYesNoとのコラボレーション作品を発表した。本展では、自分自身の顔を用いて展開されるパフォーマンスとその記録が紹介される。
真鍋大度「Copy Visualize Instrument」©Daito Manabe
tEnt(田中浩也+久原真人)〈ハイブリッドアート〉
http://tent-info.com/
田中浩也(1975年生まれ。空間情報科学・空間認知科学)と久原真人(1976年生まれ。デザイン・造形開発)によって2004年に結成されたデザインエンジニアリング・ユニット。自然環境で起こる現象を変換し、新しい風景を表現することをテーマに、試行錯誤を繰り返しながら、設置された土地の気候条件に反応して変化する環境デバイスを制作する。つららや吹雪・波を観測対象とした作品を、北海道・真駒内公園やモエレ沼公園などで展示。《Call ⇔ Response》では、鳥の発声器官を物理モデリングしたソフトウェアで生成された音声が、スピーカーとマイクを備えた装置から出力される。それに対して自然界の鳥から応答があれば、進化的発声アルゴリズムによって、鳴き方が洗練・変化・成長していく。
tEnt(田中浩也+久原真人)「call<->response」プロトタイプ ©tEnt (TANAKA Hiroya + CUHARA Macoto)
エキソニモ〈デジタルコミュニティ〉
http://exonemo.com/
千房けん輔と赤岩やえによるアート・ハック・ユニット。1996年より、ウェブ上でしか体験できない実験的プロジェクトで注目を集める。持ち前の機知にあふれたハッキング精神によって、インスタレーション、ソフトウェア、デバイス、ライブパフォーマンス、イベント・プロデュースへと拡張する。国内外の展覧会やフェスティバルに参加・受賞多数。アルスエレクトロニカではネットヴィジョン部門で「MobLab:日独メディア・キャンプ2005」で展開された《The Road Movie》がゴールデン・ニカを受賞。本展では、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]との連携による新作《ゴットは、存在する。》(「祈り」「化身」「噂」)を展示。東京都現代美術館にも「ゴット」を降臨させる。
エキソニモ「ゴットは、存在する。」©exonemo
スズキユウリ〈インタラクティブアート〉
http://www.yurisuzuki.com/
1980年生まれ。明和電機のアシスタントを経て、英国王立芸術大学(RCA)のデザイン・プロダクト学科卒業。ダレル・ビショップに師事し、音と音楽が人に与える影響のデザインを探る。現在、ロンドンを拠点にフリーランス・デザイナーとして、イベントのコンテンツ・デザイン、ワークショップ・デザインを行なう。電子楽器「テルミン」奏者としても活動。サウンドアーティストとして、海外レーベルから音源を発表する。本展では、インタラクティブアート部門のみならずデジタルミュージック部門でもノミネートされた、アナログレコードによる可憐な造形の連作インスタレーション「Physical Value of Sound」を展示。
スズキユウリ「Physical Value of Sound」photo: Clear Edition and Gallery
野口靖+安藤英由樹〈インタラクティブアート〉
http://r-dimension.xsrv.jp/jpn/watch_siggraph/
野口靖(東京工芸大学芸術学部メディアアート表現学科講師)と安藤英由樹(大阪大学情報科学研究科バイオ情報工学専攻准教授)による共作。野口はメディアアート領域で教鞭を執る傍ら、3Dグラフィックスを利用した「時空間」マッピングシステムとネットワーク上のデータベースを連携させるシステムに取り組んでいる。安藤は、錯覚を利用したインターフェイスの研究と制作に携わり、工学系研究者として国際学会で広く研究発表を続ける一方で、新旧のアルスエレクトロニカ・センター展示に参加、渡邊淳司、草地映介との共作「Touch the Invisible」で第12回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞など、アート領域での活動も意欲的に展開している。「Watch Me!」は、ロボット内蔵のぬいぐるみによる非日常的な動きのイベントを国内外(インド、NY、渋谷、巣鴨など)の公共空間に介入させ、人々の「目線」の振る舞いを撮影・記録し、その場固有の社会的拘束を可視化させる実験的なプロジェクトである。本展では、アルス2009での受賞にあわせてリンツで撮影したリンツバージョンも加えて公開される。
野口靖+安藤英由樹「Watch Me!」©Yasushi Noguchi+Hideyuki Ando
渡邊淳司+田畑哲稔+安藤英由樹〈ネクスト・アイデア/企画展/センター展示〉
http://www.junji.org/
渡邊淳司(科学技術振興機構「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」領域個人型研究[さきがけ]研究員)、と田畑哲稔(RARC心理プロジェクト研究者、映像作家)、安藤英由樹(大阪大学情報科学研究科バイオ情報工学専攻准教授)による共作。渡邊は人間の知覚メカニズムの研究やメディアアートの作品制作に携わり、人間の感覚と環境との関係性を理論と芸術的応用の両面から研究している。田畑はパフォーマンスグループcell/66b主宰として、身体表現とデジタル技術とネットワークを融合する試みを展開している。錯覚を利用したインターフェイスの研究と制作に携わる安藤が渡邊、田畑と組んだ本展の《Saccade-based Display》シリーズはアルスエレクトロニカ・センターに展示され、本展の最新作《blink to see___》では、縦1列に並べたLEDによるディスプレイを通して「サッカード」と呼ばれる高速の眼球運動を利用した色彩豊かな仮想の画像イメージが空間に提示される。
渡邊淳司+田畑哲稔+安藤英由樹「blink to see___」©Junji Watanabe+Tetsutoshi Tabata+Hideyuki Ando
渡邉英徳〈ネットヴィジョン・現デジタルコミュニティ〉
http://labo.wtnv.jp/2009/07/gps3600.html
1974年大分県生まれ。東京理科大学理工学部建築学科・同大学院修了。2001年にゲーム制作会社フォトンを設立し、インターネット上の音楽コミュニティゲーム「リズムフォレスト」をリリース、インターネットを介してロボットが人間の動きを再現するコミュニケーションシステム「NEtROBOt Project」で、アルス2005ネットヴィジョン入賞。桜の写真を世界中からGoogleマップ上に投稿してもらう「桜前線さくらマッピング」、セカンドライフ内に収集されたACM SIGGRAPHのEmerging TechnologyやArt Galleryの記録写真を直感的に閲覧できるアーカイブ「SIGGRAPH Archive in Second Life」を手がけ、SIGGRAPH Asia2008「Synthesis」で発表。本展では、アルスエレクトロニカの歴史的な風景の記録や受賞作家のアーカイブがセカンドライフ上に展開される。
渡邉英徳「Ars Electronica Archive in Second Life」©Hidenori Watanave
国立天文台4D2Uプロジェクト
http://4d2u.nao.ac.jp/
月周回衛星「かぐや(SELENE)」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた月探査機である。この計画の主な目的は、月の起源と進化の解明のための科学データを取得することと、月周回軌道への投入や軌道姿勢制御技術の実証を行うことであった。本映像作品では「かぐや」が搭載していた14種類のミッション機器のうち、レーザ高度計(LALT)によって観測された高分解能の月面高度データを、3DCGでダイナミックに再現している。
国立天文台4D2Uプロジェクト「月面全体の地形図」 可視化:中山弘敬 LALTデータ提供・処理:宇宙航空研究開発機構 (JAXA),国立天文台 RISE月探査プロジェクト 国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト
JAXA宇宙ステーション(ISS)/「きぼう」文化・人文社会科学利用パイロットミッション
http://iss.jaxa.jp/utiliz/epo/index.html
JAXAでは、宇宙環境の追究や宇宙活動が文化/人文社会科学的にどのような意義を持つのか長い間議論を重ね、「きぼう」日本実験棟の打上げによって実験を試みる段階を迎えた。そこで、宇宙・微小重力といった環境での芸術活動の検証を目的に文化/人文社会科学利用パイロットミッションを募集し、10テーマを選定した。これらのテーマはいずれも「宇宙」からの視点や「微小重力環境」を活かした芸術表現で、ISSの社会的価値の創造につながっている。今回、概要紹介される選定テーマと代表研究者は、以下の通りである。
「水の球を用いた造形実験」藤原隆男(京都市立芸術大学教授)/「ISS宇宙飛行士の‘moon’ score」「光るニューロン」野村仁(京都市立芸術大学大学院教授)/「墨流し水球絵画 」「Spiral Top」逢坂卓郎(筑波大学教授)/「飛天プロジェクト」石黒節子(お茶の水女子大学名誉教授)/「微小重力の身体と衣服設計に関する基礎実験―宇宙でのファッショナブルライフ―」宮永美知代(東京芸術大学助教)/「宇宙庭」松井紫朗(京都市立芸術大学准教授)/「宇宙モデリング」米林雄一(東京芸術大学教授)/「手に取る宇宙~message in a bottle~」松井紫朗(京都市立芸術大学准教授)