TOKYO ART BOOK FAIR 2023
11月23日(木・祝)から11月26日(日)の4日間にわたり、東京都現代美術館にて第13回TOKYO ART BOOK FAIR(以下、TABF)を開催いたします。今年は、国内外から約300組の独創的なアートブックを制作する出版社、ギャラリー、アーティストらが集結し、作り手たちが本の魅力を伝えます。
今年で7回目を迎える、ひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する企画「ゲストカントリー」にて特集するのは北欧5カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランド)です。また、TABFが企画する3つの展覧会では、ヨーゼフ・ボイス、アーノルフ・ライナー、フルクサスを柱に現代美術作品を蒐集した清里現代美術館と、自身のコンビニエンスストアを埋め尽くすほどのコラージュ作品を生み出しアーティストとなったトーマス・コンの貴重なアーカイブの一部をご紹介します。そのほかにも、資生堂の企業文化誌『花椿』、TOKYO DESIGN STUDIO New Balanceがプロデュースするフリーマガジン『NOT FAR』、そしてスキン&マインドブランド、BAUMがTABFのために制作する小冊子『Trees: Five Perspectives』にまつわる、それぞれの特別ブースが設けられる予定です。
ゲストを招いてのトークショーや子ども向けのワークショップ、作家によるサイン会、ライブパフォーマンスなど多様なプログラムも展開し、進化を続けるアートブックのいまを体験いただける場の創出を目指します。
基本情報
- 日時
2023年11月23日(木・祝)12:00-20:00
2023年11月24日(金)- 26日(日)11:00-19:00- 会場
東京都現代美術館 企画展示室B2F、エントランスホール ほか
- 入場料
一般 1,000円(税込)
※小学生以下無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。
※一部のイベントには別途参加費が必要です。
ArtStickerにてチケット販売中。
URL:https://artsticker.page.link/TABF2023- 公式サイト
https://tokyoartbookfair.com/
Instagram: @tokyoartbookfair
X: @tabf_info
Facebook: @tokyoartbookfair- 主催等
<展示エリア>
一般社団法人東京アートブックフェア、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
<公募ブースエリア>
一般社団法人東京アートブックフェア
特別協力:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館- 協賛
ビームス カルチャート、株式会社 資生堂、 BAUM(バウム)、ニューバランス ジャパン、株式会社イニュニック、芝パークホテル
- 協力
アルテック、NORDISK、NORDISK CAMP SUPPLY STORE、ArtSticker(株式会社The Chain Museum)、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞、スウェーデン大使館、L PACK.、株式会社 子どもの文化普及協会、株式会社講談社、株式会社キュレイターズ、株式会社トーキョーバイク
- 後援
ノルウェー大使館、フィンランド大使館、デンマーク王国大使館、アイスランド大使館
- 助成
スウェーデン芸術評議会
EXHIBITIONS
清里現代美術館 アーカイヴプロジェクト展
1990年に4人の兄弟が私財を投じて設立し、2014年に惜しくも閉館した清里現代美術館は、ヨーゼフ・ボイス、アーノルフ・ライナー、フルクサスを柱に現代美術作品を集めた個人美術館でした。次男の伊藤修吾が同館の館長を務め、中学校の美術の先生であった三男信吾はコレクション蒐集、展示のディレクションを担当し、長男修身、四男勝朗は資金的に運営をサポートしていたといわれています。
彼らの残した美術書籍、資料、エフェメラをアーカイブ化するため、2022年9月から清里現代美術館の膨大な美術書籍・資料をまとめ、出版するプロジェクト「清里現代美術館アーカイブブック プロジェクト」がスタートしました。2023年5月に刊行した第1巻『Ephemera(エフェメラ)』に続き、第2巻『Fluxus(フルクサス)』、第3巻『Joseph Beuys(ヨーゼフ・ボイス)』を今後刊行予定です。
本展では、清里現代美術館旧蔵のコレクションの一部を展示し、同館のプライベートな蒐集を通じた斬新な感覚・感性・問いかけに触れていただける機会を創出します。
Thomas Kong “ARTS FOR SALE”
トーマス・コン(1950-2023年)は、北朝鮮に生まれ、アメリカ・シカゴを拠点に活動したアーティストであり、コンビニエンスストアオーナーでした。
コンがシカゴ郊外で営んでいた小さなコンビニエンスストア「KIM’S CORNER FOOD」の店内を飾り付けるため、60歳を過ぎてから作り始めた小さなコラージュ。お菓子や煙草の空き箱、包み紙、新聞や雑誌の切り抜き、ビニール袋、不要になったダンボールなど、身近にあるものを使ったコラージュは、いつしか店内を埋め尽くし、お店そのものをアート作品に、そして彼をアーティストに変えました。
本展では、彼が遺した膨大な作品群の一部と、一点もののアートブック、惜しまれつつ閉店した「KIM’S CORNER FOOD」のアーカイブ資料を展示いたします。コンは、今年5月に亡くなる直前まで、自身の店に立ち続けました。彼がレジカウンターで作り続けた作品からは、「Be Happy」のキャッチフレーズとともに、純粋でポジティブなメッセージを受け取っていただけるでしょう。
協力:062 Gallery
MULTIPLES, INC. 1965-1992
Multiples, Inc.は、現在ギャラリストとして、Marian Goodman Galleryを営むマリアン・グッドマンらによって1965年に設立された出版社です。1992年にその活動を終えるまでの約30年に、20世紀で最も重要なアーティストたちのエディションを出版し、アート界に大きな影響を与えました。1960年代はマルチプル作品が盛んに作られていた時代であり、芸術作品はユニークピースだけではなく、新しい素材や最先端の製造技術を用いて作られた複数のエディションが存在するものと考えられるようになりました。作品の価格も抑えられるエディションを出版することで、幅広い層に向けてアートを流通させることを可能にしました。
本展では、Multiples, Inc.の代表的なシリーズとして知られている、19名のアーティストによる写真をメディアとして取り入れたマルチプルを収めたボックス・エディション『Artists & Photographs』(1970)を展示します。
SPECIAL BOOTHS
花椿 Tribute to the Archive
1937年に創刊された資生堂の企業文化誌『花椿』はこの度、ノルウェー・オスロ在住のファッションエディター、エリス・バイ・オルセンと特別なタブロイドを作成し、配布します。このタブロイドでは、創刊号からの『花椿』を現代、そしてグローバルな視点から見つめ直し、今日に伝えるべき価値を探求しました。さらに、オルセンはファッションリサーチ国際図書館のディレクターでもあり、今回のブースではその図書館の雰囲気を再現します。また、タブロイド制作に用いたバックナンバーも展示する予定です。ぜひ手に取ってご自身でも『花椿』のアーカイブをリサーチしてみてください。
※同会場では『花椿』2023年号の配布も行います。
NOT FAR / TOKYO DESIGN STUDIO New Balance
TOKYO DESIGN STUDIO New Balanceは、米ボストンに拠点を置くニューバランスブランドの日本との長年にわたる関わりの中から生まれ、アメリカと日本のメンバーからなるデザインチームが開発を手掛けるブランドです。日本ならではの巧みな職人技や感性を通して、真や質を追い求め、デザインとイノベーションを推し進めたプロダクトを開発しています。
2020年には、日本橋浜町にコンセプトストア T-HOUSE New Balanceをオープン。1Fはコンセプトショップ、2階には開発スタジオ(=東京デザインスタジオ)を設け、New Balance Lifestyleのエナジーを総括的に伝えるギャラリー兼体験型ストアとして展開しています。
フリーマガジン『NOT FAR』は、T-HOUSE New Balanceのオープンに合わせて刊行されました。TOKYO DESIGN STUDIO New Balanceがプロデュースしているこのフリーマガジンは、編集長に江口宏志を迎え、スタジオチームがクリエイションを行うに際し、共感や歓喜を受けた素晴らしいモノやコトを、第三者の視点を通じて編集したコンテンツで、これまで #08 までリリースしています。
TOKYO ART BOOK FAIR では、10月にリリースした最新号 #08 を配布。(New Balance 会員サービス “myNB”登録者対象。その場での登録も可能です。)また、TOKYO ART BOOK FAIRの会場とT-HOUSE New Balanceを繋ぐ特別企画も展開します。
T-HOUSE New Balance 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-9-2
Instagram : @newbalance_t_house
BAUM TREEDAY 「樹木がもたらす、あたらしい感性」
BAUMは、樹木のインスピレーションを受け、生まれたスキン&マインドブランドです。毎年10月8日の「木の日*」に開催している、木の強さ、美しさ、賢さ、そして心地よさを発信する「BAUM TREEDAY」という活動において、今年は多種多様な樹木の美しさに着目しました。
TOKYO ART BOOK FAIRでは、樹木から受けるインスピレーションをそれぞれの感性で捉え、樹木に敬意を捧げる5名のアーティストの作品を一冊にまとめたZINE『Trees: Five Perspectives 』を配布します。またブースではアーティストの実際の作品をご覧いただきながら、樹木の恵みを受け取っていただけます。
参加作家:
国松希根太(彫刻家)、福井守(彫刻家)、Ling-Li Tseng(建築芸術家)、Nina Kerola(アーティスト)、Min-chin Tung(彫刻家)
* 10月8日は、1977年に林野庁と木材利用推進中央協議会等が業界の発展と木材の利用促進を図るため、「木」の字(十に八)にちなんで定められています。
ZINE『Trees: Five Perspectives』は、BAUMの森林浴美容®︎を実感いただけるサンプルセットと共に、以下の時間に配布いたします。
11:00/13:00/15:00/17:00
BAUMについて
「樹木との共生」をテーマに掲げる、スキン&マインドブランド「BAUM」は2020年6月に誕生しました。「樹木がくれる、美しい世界のはじまり」をメッセージに、樹木の恵みを余すところなく受けとり、感謝し、樹木資源を未来につないでいくブランドとして、製品の90%以上を自然由来の素材から製造。商品パッケージ、店頭においてもサステナブルな循環を意識した選択をしています。
アーティストの哲学、製作の様子などを含む、TREEDAYコンテンツは、BAUM公式インスタグラムアカウント、およびBAUM公式ウェブサイトにてご覧いただけます。
Instagram:@baum_global
URL:https://www.baumjapan.com/baum/selections/2023/1003_treeday.html
NEIGHBOURS
東京都現代美術館のある清澄白河エリアには、アートギャラリー、カフェやショップなどの施設が多く立ち並びます。この「NEIGHBOURS」企画では、ブックフェアの来場者の方々に周辺施設の周遊もお楽しみいただくために、エリアマップを作成しております。また、一部施設ではフェア来場者の方向けにスペシャルな特典をご用意いただいており、ブックフェアだけではなく、地域全体の魅力を感じていただけるような取り組みとなっております。
URL:https://tokyoartbookfair.com/neighbours/
北欧映画祭 〜Nordic perspective〜
TOKYO ART BOOK FAIR 初の試みとして、東京都現代美術館の近隣(neighbours)であるミニシアター「Stranger」にて、映画祭を開催します。
上映するのは、今年の「ゲストカントリー」である北欧5カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランド)のドキュメンタリー映画9作品。トーベ・ヤンソンの映画3作品をはじめ、アート、デザイン、音楽、環境問題など、さまざまなテーマを掘り下げた映画を通し、北欧の視点を読み解きます。
作品に関連したアートブックの展示や、トークイベントなど、TOKYO ART BOOK FAIRならではの企画もご用意します。
上映作品:
『トーベ・ヤンソンの世界旅行』 (1993)
『ハル、孤独の島』 (1998)
『トーベとトゥーリッキの欧州旅行』 (2004)
『ザ・ヴァスルカ・エフェクト』 (2019)
『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』 (2019)
『画家と泥棒』 (2020)
『アアルト』 (2020)
『コペンハーゲンに山を』 (2020)
『アポロニア、アポロニア』 (2022)
開催期間:2023年11月24日(金)〜12月7日(木)
会場:Stranger
住所:130-0024 東京都墨田区菊川3-7-1 菊川会館ビル1F
Stranger公式ウェブサイト(タイムテーブルなどの詳細は、こちらでご確認いただけます。)
URL:https://stranger.jp/movie/1829/
北欧映画祭にまつわる最新情報を発信するため、
「TABF CINEMA CLUB」というインスタグラムアカウントを作成いたしました。
Instagram: @tabf_cinema
TOKYO BIKE
TABF の会期中、TOKYOBIKE TOKYOにて、会場である東京都現代美術館にご入場いただく際に配布するMAPをご提示いただければ、どなたでもtokyobikeの自転車をフリーレンタルサービス(90分間)でお楽しみいただけます。
<レンタル会場>
TOKYOBIKE TOKYO
〒135-0022 東京都江東区三好3丁目7-2
<ご利用可能時間>
11月23日(木・祝)10:00~18:00
11月24日(金) 11:00~18:00
11月25日(土)・26日(日) 10:00~18:00
*全日最終受付17:00まで
*身分証明書が必要になります。
*飲酒されている方のご利用は禁止となります。
*貸出できる自転車の数には限りがございます。
GUEST COUNTRY vol.7 NORDIC COUNTRIES
TOKYO ART BOOK FAIR(TABF)では、2015年からひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する「Guest Country」という企画を行っています。これまでにスイス、ブラジル、アジア(中国、韓国、台湾、シンガポール)、アメリカ、オランダ、フランスを特集しました。
第7回を迎える今年の「Guest Country」では、北欧5カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランド)をフィーチャー。北欧から合計18組の気鋭の出版社が出展するほか、展覧会やトークイベント、スクリーニングなどさまざまなプログラムを通して、北欧のアートブックの世界を紐解きます。
Tove’s Perspective トーベ・ヤンソンの視点
ムーミンの生みの親として、日本でもよく知られるトーベ・ヤンソン。1914年にリベラルな芸術家の両親のもとに生まれ、創作が常に身近にある環境で育ったトーベは、7歳で「トーベ出版」を立ち上げ本を出版し、その後も出版社から数多くの絵本や小説を出版しました。
TABFでは、フィンランド、ヘルシンキ在住のトーベ・ヤンソンの研究者、翻訳家である森下圭子をキュレーターに迎え、これまで刊行された絵本や資料などを一堂に集め、トーベを「本を作るアーティスト」としてご紹介します。またセレクションには、トーベによる日本版の印刷物や資料なども含め、トーベと日本の強いつながりにもフォーカスします。
さらには、トーベとパートナーのトゥーリッキ・ピエティラが20回以上の夏を過ごしたサマーハウスがあるクルーヴハルを始めとする群島の美しくも荒々しい自然、またそこに生えるキノコを捉えたホンマタカシによる写真を展示。トーベを長年追い続けている森下が「トーベを探すのでなく、トーベの眼差しを感じる作品」と語るホンマの写真を通して、トーベの視点を感じながら彼女の軌跡や思考を巡り、独自の世界観と北欧の魅力に迫ります。
また、ホンマの写真と森下が群島にまつわるさまざまなエピソードを執筆したエッセイを収録する作品集『群れた島々と キノコたち』もTABFの開催に合わせて刊行します。
協力:株式会社講談社、株式会社キュレイターズ
<関連書籍>
『群れた島々と キノコたち』
写真:ホンマタカシ 文章:森下圭子
アートディレクション&デザイン:脇田あすか
出版:TOKYO ART BOOK FAIR
ホンマタカシは、トーベ・ヤンソンとトゥーリッキ・ピエティラのクルーヴハルでの暮らしをドキュメントした映画『ハル、孤独の島』に感銘を受け、2016年にその島で撮影した写真をまとめた写真集『A song for windows』(LIBRARYMAN)を刊行しています。
その際もコーディネーションを務めた森下圭子とともに、今年9月にフィンランドの群島を再訪し、そこに生息するキノコや自然の姿を捉えました。本書には、ホンマが新たに撮り下ろしたそれらの写真と共に、森下が自身の群島での経験や、遊び心と冒険心溢れる島の人々の暮らしについて執筆したエッセイを収録します。
ホンマタカシ
2023年には『Thirty-Six Views of Mount Fuji』(MACK)、『TOKYO OLYMPIA』(Nieves)を刊行。2024年1月21日(日)まで、東京都写真美術館にて個展「即興 ホンマタカシ」を開催中。
森下圭子(来日予定)
1969年、三重県生まれ。ヘルシンキ大学でムーミンの研究をするために1994年秋、フィンランドヘ渡る。以降ヘルシンキに在住し、現在はコーディネーター、翻訳者/通訳者として活動している。「Tove’s Perspective」展のための撮影のコーディネートも担当。映画『かもめ食堂』ではアソシエート・プロデューサーを務める。主な訳書は、ミイのおはなし絵本シリーズ、『トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉』『ムーミンとトーベ・ヤンソン 自由を愛した芸術家、その仕事と人生』など。
<関連イベント>
11月23日(木・祝)
12:30-13:30 ドキュメンタリー映画『トーベ・ヤンソンの世界旅行』上映
英題:Travels with Tove / 1993年/フィンランド/ 58分/デジタル上映
監督:カネルヴァ・セーデルストロム
日本のテレビ局から招待されたトーベ・ヤンソンは、往復の航空券を片道2枚に変更してもらい、パートナーのトゥーリッキ・ピエティラと共に来日した。旅先で手に入れたコニカの8ミリカメラを手に日本各地を巡り、その後アメリカ、メキシコへと渡った8ヶ月の旅を記録し続けた。本作には、仲良く楽しそうに当時の思い出を振り返る二人の対話が収録されている。
11月23日(木・祝)
14:00-15:15 TALK EVENT「日本とフィンランド、そしてトーベ・ヤンソンを巡る対話」
登壇者:森下圭子(トーベ・ヤンソン研究者、翻訳家) x AYA IWAYA(グラフィックデザイナー)
ヘルシンキを拠点とする森下圭子とフィンランドでキャリアをスタートし、現在は東京で活動するグラフィックデザイナーであるAYA IWAYAによるトークイベント。日本とフィンランドの文化や生活、そしてアート、デザインの相違点、「Tove’s Perspective」や映画『トーベ・ヤンソンの世界旅行』について語り合いながらトーベの魅力について掘り下げます。
11月26日(日)
12:30-13:30 ドキュメンタリー映画『ハル、孤独の島』上映
英題:Haru,the Island of the Solitary/1998年/フィンランド/44分
監督:カネルヴァ・セーデルストロム、リーッカ・タンネル
クルーヴ・ハルは、フィンランドの群島のひとつ。徒歩10分程度で一周できてしまう小さな無人島に、トーベ・ヤンソンとトゥーリッキ・ピエティラは4面に窓がある1部屋だけの小屋を建て、25回の夏を過ごした。溶けゆく流氷、海鳥の鳴き声、静寂の中で沈むオレンジ色に輝く太陽...美しくも険しい自然の中でひっそりと暮らす二人の生活の断片を8ミリカメラでとらえた本作からは、トーベのインスピレーションの源を垣間見ることができる。
Nordic Art Book Store
北欧5カ国のアートブックシーンを牽引する5名のキーパーソンたちが、コンテンポラリーなアートブックやZINE(約40〜50タイトル)と、自国の出版文化に影響を与えた重要な書籍をセレクトした4日間限りのブックストアがTABFに登場します。ノルウェーからは、自身が立ち上げたファッションリサーチ国際図書館のディレクターを務めるエリス・バイ・オルセン、スウェーデンからは2018年からマルメという都市でアートブックビエンナーレを開催する「Malmö Artist’s Books Biennial」のチームが参加。そしてフィンランド、デンマーク、アイスランドのキュレーターは、各国の首都を拠点に自身のアーティスト活動を行いながら、アートブックフェアや本に関わるイベントを積極的に行う、西田ひかり、ヨハン・ローゼンムンテ、シグル・アトリ・シグルソンが務めます。まだ知らない表現や才能とのたくさんの出会いがあり、北欧のアートブックシーンのこれまでといまに触れる機会を創出します。
【キュレーター】
ノルウェー
エリス・バイ・オルセン / Elise By Olsen(来日予定)
1999年生まれ。若干13歳にして創刊したカルチャー誌『Recens Paper』が、テート・モダン、ドーバー ストリート マーケット、10 Corso Como、パレ・ド・トーキョー、コレット、蔦屋書店などに並び話題を集め、2017年に18歳になるまで同誌の編集を手がけた。2018年にファッション業界で批評的な対話を生み出すことを目的に掲げる雑誌『Wallet』を立ち上げ、2020年にはファッションリサーチ国際図書館を創設し、現在はそのディレクターを務める。
スウェーデン
「MABB – Malmö Artist’s Books Biennial」
MABB は、本という形態の構造的・概念201的な特性にインスパイアされたアート作品のためのプラットフォームである。2018年にスウェーデン南西部に位置する都市、マルメでスタートした。2022年には、北欧諸国、ポーランド、英国、アイルランド、フランス、ドイツ、オランダ、日本、イタリア、アメリカなどから約30組の出展者が出展した。次回は、2024年5月に開催予定。
フィンランド
西田ひかり / Hikari Nishida(来日予定)
フランスで生まれ育ち、現在はヘルシンキを拠点に活動するアーティスト。2021年、フィンランドのインディペンデント出版社や国内外の作家、デザイナーによるアートブックやZINEなどの印刷物の流通に焦点を当てたプロジェクト「The Temporary Bookshelf」を立ち上げる。本にまつわるイベントを企画するほか、フィンランドのアート施設やフェスティバルのために本のセレクションも行っている。
デンマーク
ヨハン・ローゼンムンテ / Johan Rosenmunthe(来日予定)
1982年生まれ。コペンハーゲン在住。アーティストブックから彫刻的インスタレーション、パフォーマンスまでと、幅広い表現で知られるアーティスト。キュレーションや出版活動を行う「Lodret Vandret」、展覧会スペース「New Shelter Plan」を主宰するほか、アートブック・フェスティバル「One Thousand Books」の創設者でもある。展覧会やシンポジウム、出版の企画やキュレーションを数多く手がける北欧のアーティストブック界の中心人物。
アイスランド
シグル・アトリ・シグルソン / SIgurður Atli Sigurðsson (来日予定)
レイキャビクで活動するビジュアルアーティスト。社会構造を形成する要素をもとにした作品を制作しており、それらの多くは印刷物として発表されている。2015年、制作や出版などを行う「Print & Friends」を設立し、出版に関する専門家として国内外で展覧会の企画や講演を行っている。また、1970年代のガソリンスタンドを改装したYギャラリーや「レイキャビック・アートブックフェア」を運営している。
<関連イベント>
TALK EVENT「Nordic Art Book Store キュレーターズトーク」
日時:11月25日(土)17:00ー18:30 (受付開始 16:45)
来日予定の4名のキュレーターたちによるプレゼンテーション及びパネルディスカッションを行います。
Kids’ Reading Room
2022年よりスタートしたTABFの子ども向けコンテンツ 「Kids' Reading Room」は、本年のゲストカントリーでもある北欧5カ国と日本のアート性の高い絵本を自由に読むことができるスペースになります。アンデルセンの古典童話をはじめ、『長くつ下のピッピ』のアストリッド・リンドグレーン、ムーミンシリーズのトーベ・ヤンソンなど、世界中で愛される名作を輩出する新旧さまざまな北欧の絵本をアートブックの視点で選びました。絵本の一部はアートブックやZINEを販売するTABFオリジナルの販売機「ART BOOK VENDING MACHINE」を用いて、北欧と日本の絵本とのユニークな出会いをご提供いたします。
また、スウェーデン政府が2002年に創設した、リンドグレーン記念文学賞を2022年に受賞した、スウェーデン出身の絵本作家エヴァ・リンドストロムによる絵本の中のシーンを、Kids' Reading Roomの壁面にて大きく展開いたします。
協力:リンドグレーン記念文学賞、スウェーデン大使館、株式会社 子どもの文化普及協会
助成:スウェーデン芸術評議会
エヴァ・リンドストロム(来日予定)
1952年生まれ。ストックホルム在住。漫画家としてキャリアをスタートし、スウェーデンの新世代のコミックアーティストたちに多大なる影響を与えている。絵本作家としても世界的に高く評価され、これまでに国際アンデルセン賞、アストリッド・リンドグレーン記念賞など数々の賞を受賞している
<関連イベント>
TALK EVENT「国境を超える絵本の世界(仮)」エーヴァ・リンドストロム x 荒井良二
日時:11月23日(木・祝)16:00 – 17:15 (受付開始 15:45)
登壇者:エヴァ・リンドストロム(絵本作家)、荒井良二 (絵本作家)
今年の「Guest Country」のひとつであるスウェーデンには、アストリッド・リンドグレーン記念賞という児童文学、青少年向けの文学作品に与えられる文学賞があります。本トークでは、同賞を2022年に受賞したスウェーデン出身のエヴァ・リンドストロムと2005年に日本人として初めて受賞した荒井良二が登壇し、それぞれの作品やスウェーデンと日本の絵本の相違点などについて語り合います。
EXHIBITORS
国内外から約300組の独創的なアートブックを制作する出版社、ギャラリー、アーティストらが集結し、作り手たちが本の魅力を伝えます。
詳細はこちら
EVENTS
TABFでは、ゲストを招いてのトークショーやワークショップ、作家によるサイン会、ライブパフォーマンスなど多様なプログラムを展開します。
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