Future Beauty 日本ファッションの未来性

展覧会概要

日本ファッションが持つ創造性と、その力強いデザインに潜む文化的背景に焦点を当てた「Future Beauty: 30 Years of Japanese Fashion」展。2010年にバービカン・アート・ギャラリー(ロンドン)、2011年にハウス・デア・クンスト(ミュンヘン)で開催され、高い評価を得ました。新たな作品を加え、ヴァージョンアップした「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展を2012年、東京で開催します。

20世紀後半、日本のファッションは、日本経済の成長と共に世界に羽ばたき、その独自性を開花させました。1970年代に高田賢三や三宅一生が欧米で活躍を始めます。彼らに導かれて、1981年、川久保玲や山本耀司がパリでデビュー。欧米の美意識から解き放たれた日本デザイナーの作品は、〈前衛的〉と評され、その表現には賛否両論が飛び交いました。しかし、日本ファッションこそがやがて、ファッション界を牽引していくことになりました。

平面性、素材の重視、無彩色など、三宅、川久保、山本らの作品には、西洋的な美意識にとらわれない独自の表現と強度を持ったスタイルが備わっていました。彼らが西洋中心的だったファッション界に与えた影響の大きさは、彼らを尊敬するデザイナーが国籍問わず存在し、その〈前衛的〉だった表現がさまざまなレベルで一般化されているのをみれば明らかです。彼らの最も大きな功績は、アートからの視線を引き付けるなどファッションの可能性を大きく広げたこと、西洋の美意識の枠内に留まっていたファッションの創造性の扉を広く世界へと開いたことだといえるでしょう。

20世紀末以降、自由で創造性のあるスタイルを生み続け、着ることの新たな意味を提示する〈クールな場〉として、常に世界の視線を集め続ける日本。その後も現在まで、次世代の才気溢れるデザイナーたちが、独自の視点から服の新たな表現を追い求めています。
この度の東京都現代美術館での展示は、海外巡回の内容に加えて「日常にひそむ物語」というセクションを新たに設け、今後の方向性を示唆する若手のファッションデザイナーの作品も併せて紹介します。

80年代の「脱構築と革新」から、90年代の"生きるコンセプトを「Attitude(態度)」として見せる世代の表現"を経て、2000年代の食べる、眠る、友人とおしゃべりをするといった"日々の行為=「Behavior(ふるまい)」をもとにした「共感」世代のデザイン"。30年にわたるこれらの変遷を通覧することで、日本ファッションの未来性がみえてきます。

左上から
川久保玲(コム・デ・ギャルソン) 1983年秋冬 Collection of the Kyoto Costume Institute, Gift of Comme des Garçons Co., Ltd.,
Photo by Masayuki Hayashi

山本耀司 1983年春夏 Collection of the Kyoto Costume Institute, Gift of Ms. Sumiyo Koyama, photo by Taishi Hirokawa

ミントデザインズ 2012年「アーカイブスドレス」© mintdesigns

サカイ / 阿部千登勢 2012年春夏 © sacai

津村耕佑 「ファイナル・ホーム」 2012年

ミナ ペルホネン 2005年「forest parade」© minä perhonen

ハトラ 2011年秋冬 photographer: Maki Taguchi, stylist: Sota Yamaguchi,model: Shohei Yamashita

ミキオサカベ / 坂部三樹郎、シュエ・ジェンファン 2011年秋冬 © 株式会社ミキオサカベ

展覧会情報

展覧会名
Future Beauty 日本ファッションの未来性
会 期 

2012年7月28日(土) ~ 10月8日(月・祝)
休館日 
月曜日 ただし9/17、10/1、8は開館、9/18(火)は休館
開館時間
10:00 〜 18:00(入場は閉館の30分前まで)
会 場 
東京都現代美術館 企画展示室3F
観覧料
一般1,000円(800円) 大学生・65歳以上800円(640円) 中高生500円(400円)  小学生以下無料
*( )内は20名様以上の団体料金。
*障害者手帳をお持ちの方とその付添者2名、第3水曜日に観覧する65歳以上は無料
*本展チケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
主 催 
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、公益財団法人京都服飾文化研究財団、日本経済新聞社
特別協賛 
メルセデス・ベンツ日本株式会社
協 賛 
株式会社資生堂
助 成 
公益財団法人朝日新聞文化財団、公益財団法人野村財団
特別協力 
株式会社ワコール
協 力 
NECディスプレイソリューションズ株式会社、吉忠マネキン株式会社
後 援 
経済産業省、東京ファッションデザイナー協議会、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会、日本百貨店協会、 一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構、 一般社団法人日本ファッション・エディターズ・クラブ、 一般財団法人日本ファッション教育振興協会、一般財団法人日本ファッション協会、 一般財団法人ファッション産業人材育成機構、一般社団法人日本ボディファッション協会
企 画 
京都服飾文化研究財団 チーフ・キュレーター 深井晃子、東京都現代美術館
展示デザイン 
藤本壮介(藤本壮介建築設計事務所)
展示内容
【衣 装】 - 約100点(おもな所蔵先・公益財団法人京都服飾文化研究財団 他)
【映 像】 - 出展作品のファッション・ショー - 三宅一生、川久保玲、山本耀司のドキュメンタリー (バービカン・アート・ギャラリー編集 2010年) 他
【プリント・マテリアル】 -DM、招待状、パンフレット等

展覧会 カタログ
【本 編】 『Future Beauty 日本ファッションの未来性』 (『Future Beauty: 30 Years of Japanese Fashion』日本語版) 2,800円(税別) 平凡社刊 約250頁
【別 冊】 『+ Future Beauty 日本ファッションの未来性』 1,000円(税別)平凡社刊 56頁

同時開催 
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 2012年7月10日(火) ~ 10月8日(月・祝)
MOTコレクション 2012年5月19日(土) ~ 10月8日(月・祝)
ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト ~ 10月上旬


関連イベント

講演会「ファッション・ショーの舞台裏:ヘアメイクの視点から」
日 時:2012年8月5日(日) 13:00〜15:00
会 場:東京都現代美術館 地下2階講堂
講 演:岡元美也子、計良宏文(資生堂ビューティートップスペシャリスト)
定 員:200名(先着順)
参加費:無料

講演会「建築家・藤本壮介、『Future Beauty』展を語る」
現在、世界から最も注目を集める建築家の一人、藤本壮介氏。この度の東京都現代美術館に先駆け、2010年のバービカン・アート・ギャラリー(ロンドン)、2011年のハウス・デア・クンスト(ミュンヘン)で開催された「Future Beauty」展では、藤本氏の洗練された展示デザインが大きな話題になりました。本講演では、ロンドン、ミュンヘン、東京、各会場の展示デザインを通して、藤本氏の空間と服に対する考え方を存分にお話し頂きます。

日 時:2012年8月8日(水) 19:00-20:30
会 場:日本経済新聞社 東京本社2F SPACE NIO
講 演:藤本壮介(本展展示デザイン)
参加費:1,000円
定 員:80名
申込み:京都服飾文化研究財団事務局(075-321-9221)までお電話でお申込みください。受付時間 / 平日 9:00〜17:00
*本講演会のお申し込み時に頂戴する個人情報は京都服飾文化研究財団(KCI)が取得し、本講演会に限って利用いたします。

デザイナーズ・トーク「いま、服を作るということ」
日 時:2012年8月26日(日)15:00-17:00
会 場:東京都現代美術館講堂(地下2階)
パネリスト:神田恵介(keisuke kanda)/ 玉井健太郎(ASEEDONCLÖUD)/山縣良和(writtenafterwards)
       石関亮(KCIキュレーター)/ 蘆田裕史(KCIアソシエイト・キュレーター)
参加費:無料
申込方法:事前申込制。定員(200名)に達し次第締め切り。電話かメールで受け付けます。
電話は、京都服飾文化研究財団 事務局 TEL:075-321-9221 (受付時間:平日9:00-17:00)。
メールは、住所、氏名、連絡先電話番号、所属(学校名など)を記載の上、event★kci.or.jp(★を@に変えてください)までメール下さい。折り返し、受付番号を返信いたします(休日を除き、3日経過してもメールが返信されない場合は、お手数ですが上記のKCI事務局までお電話下さい。)。
*本プログラムのお申し込み時に頂戴する個人情報は京都服飾文化研究財団(KCI)が取得し、本プログラムに限って利用いたします。

団体 (大学・専門学校生)向けレクチャー
ご観覧前に、京都服飾文化研究財団(KCI)の学芸員が展覧会概要と代表的な作品について15分程度の解説をおこないます。

対 象:大学、専門学校等
日 時:以下の日程の時間内でご希望時間をご相談下さい。
    2012年9月7日(金) 10:00〜17:00
    2012年9月14日(金) 10:00〜17:00
    2012年9月21日(金) 10:00〜17:00
    2012年9月28日(金) 10:00〜17:00
    2012年10月5日(金) 10:00〜17:00

会 場:東京都現代美術館 地下2階 研修室(定員40名)
参加費:無料
申込方法:事前申込制。各日2日前まで受付
お申込、問い合わせ先:
京都服飾文化研究財団事務局(075-321-9221)までお電話でお申込みください。
受付時間 / 平日 9:00〜17:00


アーティスト

20471120(中川正博+LICA)
アシードンクラウド(玉井健太郎)
アスキカタスキ(牧野勝弘)
荒川眞一郎
アンダーカバー(高橋盾)
アンリアレイジ(森永邦彦)
イッセイ・ミヤケ(滝沢直己)
エタブルオブメニーオーダーズ(新居幸治+新居洋子)
オー!ヤ?(大矢寛朗)オオタ(太田雅貴)
神田恵介
ケンゾー(高田賢三)
コム・デ・ギャルソン(川久保玲)
サカイ(阿部千登勢)
システレ(小島悠)
ズッカ(小野塚秋良)
ソマルタ(廣川玉枝)
タオ・コム・デ・ギャルソン(栗原たお)
立野浩二
舘鼻則孝
中章
ネ・ネット(高島一精)
ハトラ(長見佳祐)
ビューティ:ビースト(山下隆生)
ファイナル・ホーム(津村耕佑)
ポト(山本哲也)
堀内太郎
マトフ(堀畑裕之+関口真希子)
マメ(黒河内真衣子)
ミキオ・サカベ(坂部三樹郎+シュエ・ジェンファン)
ミナ・ペルホネン(皆川明)
三宅一生
ミントデザインズ(勝井北斗+八木奈央)
森英恵
山本耀司
リトゥンアフターワーズ(山縣良和)
渡辺淳弥

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