オランダのアート&デザイン新言語

展覧会概要

1990年代から、その前衛的なアプローチにより注目を集めたオランダ・デザインは、大量消費社会に多くの人々が違和感を覚え始めた時代の変化を背景に存在感を高め、いまや世界のデザインにおけるトレンド・リーダーの役割を担っています。彼らはそれまでの快適さや機能性を追求する20世紀デザインとは対極にある、まったく新しい価値観を提示しました。

コンセプチュアルと言われるその作品は、人の存在を肯定・尊重しながらも、「環境と消費」、「都市と社会システム」、「歴史と文化の継承」など、今日的な問題意識を下敷きにして、私たちに未来の選択を問いかけます。本展では特に人とモノとの関係、そして人と人とのコミュニケーションを問いかける代表的なアーティスト/デザイナーである、テッド・ノーテン(コンテンポラリー・ジュエリー)、マーティン・バース(プロダクト・デザイン)、そしてアート分野からマルタイン・エングルブレクト、タケトモコが参加します。彼らの作品は作品との接触によって、私たちの生活感覚にダイナミックな化学変化をもたらすような触媒作用を果たしています。驚きとユーモアのなかにイマジネーションが自然と拡大される、最新のオランダ・アート&デザインのエッセンスをお楽しみください。

この展覧会は一定の条件下で写真撮影が可能です。


展覧会情報

展覧会名
オランダのアート&デザイン新言語
会 期
2010年10月29日(金)〜2011年1月30日(日)
休館日
月曜日(ただし1/3、1/10は開館)、12/29〜1/1、1/11
開館時間
10:00〜18:00(入場は17:30まで)
会 場
東京都現代美術館 企画展示室B2F(アトリウム除く)
主 催
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
助 成
モンドリアン財団
協 力
オランダ王国大使館、DESIGNTIDE TOKYO
協 賛
ライオン、清水建設、大日本印刷
観覧料
一般1,100円(880円)/ 大学生・65歳以上850円(680円)/ 中高生550円(440円)
小学生以下無料
*( )内は20名様以上の団体料金。
*同時開催の「トランスフォーメーション」展との共通券は:一般1,800円 / 大学生・65歳以上1,400円 / 中高生900円
*本展チケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
*下記の場合は料金が免除または割引になります。

・身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方及びその付添いの方2名まで無料です。
(手帳の提示が必要です。手帳をご持参ください)
・毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は無料です。
(健康保険証、免許証など、年齢を証明できるものの提示が必要です。)
・毎月第3土曜日・日曜日(家族ふれあいの日)に観覧の18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住)2名の料金が半額となります
(「家族ふれあいの日」優待券が必要です)

同時開催
「東京アートミーティング トランスフォーメーション」
「MOTコレクション」 常設展示室


関連イベント

タケトモコによるワークショップ/パフォーマンス
《ピース・オブ・ホーム》

2010年10月17日(日)10:00-17:00
会場:CCC代官山 参加自由、無料
詳細はこちら

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アーティスト・トーク
マーティン・バース、マルタイン・エングルブレクト、タケトモコ、マルセル・ファン・カン(アトリエ・テッド・ノーテン)

2010年10月30日(土) 13:00-14:30
会場:東京都現代美術館 ホワイエ 参加無料

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MOT デザイン・バザール
日本の若手デザイナーが自身のプロダクトをプレゼンテーション、販売します。

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タケトモコ「ピクニック・ワークショップ」とBig Issue シンポジウム「若者ホームレスの、今」
※「ワークショップ:ストリート・コラージュ」からタイトルが変更になりました。

タケトモコによるワークショップと、近年特に顕在化している若年層のホームレス化についての調査報告のシンポジウムです。

2010年12月19日(日) 15:00-17:00(シンポジウム)
会場:東京都現代美術館 地下2階講堂 定員200名(先着順)参加無料
発表者:宮本みち子(放送大学教授)、稲葉剛(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい)、井村良英(NPO法人「育て上げ」ネット)、雨宮処凛(作家)、タケトモコ(本展参加アーティスト)

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シンポジウム「オランダ・アート&デザインからの新・視点」

本展の参加作家、および3名のゲストがこれまで日本に紹介してきたオランダのアーティスト/デザイナーを取り上げ、今日のオランダ・アート&デザインの特質を浮き彫りにします。

2011年1月15日(土) 14:00-16:00
会場:東京都現代美術館 地下2階講堂 定員200名(先着順)参加無料
ゲスト:川上典李子(ジャーナリスト、21_21 DESIGN SIGHT アソシエイトディレクター)、長坂常(建築家)、長谷川香苗(デザイン・ジャーナリスト)/モデレーター:関昭郎(本展担当学芸員)

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※会期中ミュージアム・ショップNADiff Contemporaryでは、マルタイン・エングルブレクトの「ご近所ショップ」アイテム、タケトモコのセレクションによるオランダ・ホームレス支援プロダクツを販売します。


アーティスト

マーティン・バース Maarten Baas

1978年、ドイツ・アーンスブルク生まれ。ユルゲン・ベイら、ドローグ・デザインから登場した世代以降のオランダ・デザインで、今最も注目を集めるデザイナー。
2002年の《スモーク》シリーズから、驚きを与えた映像作品《Realtime》(2009)シリーズ、デザイン・マイアミのためのコミッション・ワーク《The Shell》(2009)を含む、代表作約20点を展示。デザイン史にユニークな跡を記すバースの着想をたどります。
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マルタイン・エングルブレクト Martijn Engelbregt

1972年、デンハーグ生まれ。国会議事堂のためのアート・プロジェクト《The Service》(2002年)を始め、人々を巻き込んだコミュニケーション・プロジェクトを展開するアーティスト/デザイナー。「プロモーター」と題して、展示室で《3Dフォーム》、《レストラン「レスト」》、《小さな東京モニュメント》、《迷惑電話撃退マニュアル》、《ご近所ショップ》の五つのプレイフルなプロジェクトをプレゼンテーション。ミュージアム・ショップでは《ご近所ショップ》の近所の絆を深めるアイテムを販売します。
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テッド・ノーテン Ted Noten

1958年、テゲレン生まれ。貴金属素材を離れたコンセプチュアルなオランダ・コンテンポラリー・ジュエリーの代表者の一人であり、その作品はデザインの分野でも注目されています。1995年から2009年の代表作である12点のジュエリーを、ファッションショーのキャットウォークに展示するインスタレーション《Ted Walk》と、この展覧会のための新作プロジェクト《Wanna swap your ring?(あなたの指輪と換えてみない?)》を発表。ジュエリーとはなにかを問いかけます。
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タケトモコ Tomoko Take

1970年、大阪生まれ。現在オランダを活動拠点とし、ヨーロッパ各地で衣食住をテーマにワークショップやパフォーマンスを複合させた、人々の間にコミュニケーションを生みだすプロジェクトを展開。「自分にとってのホームとはなんだろう。」−ホームレスという言葉をきっかけに生まれた疑問から、2003年よりアムステルダム、およびヨーロッパ各地で行っている《ホームレスホーム》プロジェクト。本展ではこれまでの映像、および同プロジェクトのワークショップで制作されたファッションに加え、日本における同プロジェクトのパフォーマンス / ワークショップのメイキングを映像新作として発表予定です。
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  • タケトモコ《ホームレス・ホーム・プロジェクト、 ピース・オブ・ホーム》(アムステルダム、ダム広場 2004年) Photo: Gert-Luc van Poelje 参考画像 

  • スタジオ・マーティン・バース《シェル》 2009年

  • アトリエ・テッド・ノーテン《リッペンズ・バッグ》 2005年 J.リッペン氏蔵 Photo: Ted Noten

  • マルタイン・エングルブレクト《レストラン「レスト」》 2008年 参考画像

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