開館30周年プレ企画 国際シンポジウム
これからの現代美術館のかたち
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1995年に開館した当館は、今年30周年を迎えます。この30年間、インターネットの普及や価値観の多様化など、社会の変化とともに美術館の役割も問い直され続けています。「現代美術館」として、常に時代の新しい表現とともにある当館でも、従来の美術館のあり方のみにしばられない活動を模索してきました。これからの美術館は、どんな場所になっていくのでしょうか?
本シンポジウムでは、香港、韓国、インドネシア出身の若手キュレーターを招き、美術館の新たな可能性について考えます。今回の登壇者たちは、オルタナティブスペースの運営やアート・コレクティブの活動にも携わるなど、美術館の枠を超え、多様な場で実践を重ねています。「集まる場所」として美術館を再考し、これからの美術館の役割について議論します。
スケジュール(予定)
14:00-14:10 登壇者紹介、シンポジウム企図説明
14:10-15:10 登壇者およびMOTによる発表
15:20-16:30 パネルディスカッション、質疑応答
基本情報
- 日時
2025年3月22日(土)14:00~16:30(開場13:45)
- 会場
東京都現代美術館 B2F 講堂
- 定員
180名(事前予約不要、当日先着順)
- 参加費
無料
- 登壇者
ユニス・ツァン(M+ アソシエイト・キュレーター/香港)、ユ・ジウォン(リウム美術館 キュレーター/韓国)、レオナルド・バルトロメウス(山口情報芸術センター[YCAM] キュレーター/インドネシア)
- 企画
権祥海、鳥越麻由、原田美緒(東京都現代美術館)
*同時通訳付き(横田佳世子、佐藤志緒)
登壇者プロフィール
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ユニス・ツァン
香港を拠点に活動するカルチャーワーカー。2020年より、展覧会制作を通して分野横断的な対話を促進する実験的アートスペース「Current Plans」を設立。このプラットフォームは、若手アーティストのための重要な活動拠点として機能しており、従来の展覧会形式に挑戦するサイトスペシフィック・インスタレーションやパフォーマンスなどの新しいコミッションワークを共同で行うことも多い。ツァンはM+美術館のアソシエイト・キュレーターでもあり、「Asian Avant Garde Film Festival」や、当館の音楽パフォーマンスからパーティーまで幅広い「Live Art」プログラムの企画・プロデュースを行っている。トリノの「Fondazione Sandretto Re Rebaudengo Young Curators Residency Program」(2022年)に参加し、最近の取り組みには、ゲーテ・インスティトゥートの「Colours of Humanity Arts Prize」(2024年)、Tai Kwun Contemporaryの「BOOKED Art Book Fair」(2018-2023年)、トリエステ・ビエンナーレ(2023年)などがある。
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ユ・ジウォン
主にソウルを拠点に活動するキュレーター、ライター、翻訳家。第11回「Seoul Mediacity Biennale」(2019-2021年)のアシスタント・キュレーターを務めた後、2022年にキュレーターとしてLeeum美術館に所属し、キム・ビョン個展「How to become a rock」(2023年)を企画し、「Art Spectrum 2024 Dream Screen」(リクリット・ティーラワニット、チョン・ヒョギョンとの共同キュレーション)、「ボマ・パク: Ritual of Matter」(2023年)、「 ポーリン・ボードリ / レナーテ・ロレンツ:ポートレート」(2024年)をキュレーションした。アートライターコレクティブYellow Pen Club(2016-)のメンバーであり、同団体のプログラム/展示スペースYPC SPACEの共同ディレクターを務める。
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Portrait by Tabitaphotoworks
レオナルド・バルトロメウス
山口情報芸術センター(YCAM)のキュレーター。ジャカルタ芸術大学を卒業後、2019年に山口に移住するまでアート・コレクティヴ〈ルアンルパ(ruangrupa)〉(その後は「Gudskul Ekosistem」の一員)に所属。同コレクティブで活動する中で、アート、教育、コミュニティ・エンゲージメントの交差点に興味を持つようになり、「Kolektif Kurator Kampung」(2017-2021)、「Kurikulab:Moving Class」(Serrumとのコラボレーション)、Bakudapan Food Study Groupとのパートナーシップによる「The Flavour of Power─紛争、政治、倫理、歴史を通して食をどう捉えるか?」(2022年)、「あそべる図書館— Speculative Library」(2023年)、「飯田街道聞き取りアートプロジェクト」(2024年)、「Dance Floor as Study Room —したたかにたゆたう 」(2024年)など多くのキュレーション・プロジェクトに取り組んできた。バルトは自身をジェネラリストであると考え、様々な場所で行うワークショップ、レクチャー、展覧会、アートプロジェクトを通して常に新しいことを学ぼうとしている。