「翻訳できない わたしの言葉」展 関連プログラム
【受付終了】トークセッション「マジョリティ会議」
「翻訳できない わたしの言葉」展では、マユンキキ《Itak=asイタカㇱ》の一部として、マユンキキと田村かのこ氏による対話の映像を展示しています。マユンキキの海外活動における英語通訳兼コラボレーターである田村かのこ氏は、マユンキキと諸外国の先住民族など「マイノリティ」とされる人々との対話の場に共に身を置いている経験から、「マジョリティ」側にいる人間として具体的にどのような行動が必要なのかということを考え続けています。本プログラムは、マユンキキ作品について深く考えるひとつのアプローチとして、田村かのこ氏が自身の経験から参加者と語りあうものです。
企画者メッセージ
社会にさまざまある「マイノリティ問題」は、本当は「マジョリティ問題」です。なぜならマイノリティの人々が暮らしづらい社会を構築しているのはマジョリティの人々で、それを変える責任や権力を有しているのもまた、マジョリティだからです。マジョリティ側にいる人が自らの特権を認識し、具体的な行動に移す必要があります。
でも難しいのは「じゃあどうやって」です。何かしなければと思っても、どこから始めれば良いのか、何が正しいのかわからない。そんなとき、「まずは当事者に話を聞こう」と思うかもしれません。しかし無知のまま「何か私にできることはありますか」「何が辛いんですか」と歩み寄ろうとしたところで、その人の抱えているものを何度も説明させるという苦痛を強いてしまうだけです。マジョリティ問題を解決するためにマイノリティに頼り切るのは、もう終わりにしたい。
そこで、マジョリティ会議を開催します。
マジョリティは何をするべきか?何ができるのか? もちろん当事者と話し合うべきこともたくさんあるけれど、まず自分たちだけで集まってこれまでの行いを反省し、知恵を出し合いませんか。マジョリティとしての悩みを打ち明け、自分たちがやるべきことについて深く考え、より良い社会を築くために必要な知識とアイデアを共有し、参考になる事例を集めて、具体的な行動と実践のための計画を立てる場にしたいと思います。マジョリティだからこそできる本当の「マジョリティしぐさ」とはなんなのか、ともに考えましょう。
*今回のマジョリティ会議では、日本におけるアイヌと和人のマイノリティ/マジョリティ関係を中心に取り上げます。
*参加アーティストのマユンキキ氏は同席しません。
参加対象
―マジョリティ属性を持つ方(例:日本における日本人、男性、ヘテロセクシュアル、シスジェンダー、自分の能力で社会生活を送ることに支障がない人など)
―他の参加者を尊重し、建設的な対話ができる方
田村かのこ
企画・ ファシリテーター:田村かのこ
アート専門の通訳・翻訳者の活動団体「Art Translators Collective」代表。アートトランスレーターとして、日英の通訳・翻訳、コミュニケーションデザインなど幅広く活動。人と文化と言葉の間に立つ媒介者の視点で翻訳の可能性を探りながら、それぞれの場と内容に応じたクリエイティブな対話のあり方を提案している。「翻訳できない わたしの言葉」展では、マユンキキの作品に出演。マユンキキがアイヌであることで日々直面する出来事について率直に話し合うYouTube番組「マユンさんとイタカンロ+」も共同制作している。
基本情報
- 日時
6月11日(火)1回目13:30-15:00/2回目16:00-17:30
※6月16日(日)14:00-16:00にも開催します。- 会場
東京都現代美術館 企画展示室1F 「翻訳できない わたしの言葉」展示室内 マユンキキ展示エリア
- 参加費
無料
*ただし、当日有効の本展チケットまたはMOTパスポート、身体障害者手帳等のご提示が必要です。- 定員
各回6名
- 申込方法
下記の申込フォームから必要事項をご入力のうえ、お申込みください。
*受付を終了しました。
①6月11日(火)13:30-15:00
②6月11日(火)16:00-17:30申込締切:2024年6月7日(金)正午(12:00)
※応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。
※抽選結果は、2024年6月7日(金)中に申込者全員にメールでご連絡いたします。
※多くの方にご参加いただくため、お一人につき1回のみのお申し込みでお願いいたします。- 企画
田村かのこ