「翻訳できない わたしの言葉」展関連プログラム

岩下徹×新井英夫+板坂記代子 即興パフォーマンス「からだの声に耳をすます」

「翻訳できない わたしの言葉」展参加アーティストの新井英夫氏と、ダンサーの岩下徹氏、体奏家の板坂記代子氏による即興パフォーマンス+トークを行います。

Photo:イタサカキヨコ

アーティストからのメッセージ

岩下徹さんが即興でその場と対話しながら踊るパフォーマンスを初めて拝見したのは30年ほど前のことでした。衝撃と感銘を受けました。徹さんはその頃からずっと「みみをすます」ことを表現活動のタイトルやテーマに掲げていらっしゃいます。ご縁を感じ今回お願いしたところ共演を快諾していただきました。その場と3人とが交わす「言葉でない即興のおしゃべり」とても楽しみにしています。
新井英夫

《みみをすます》“Be all ears.”、即ち<聴く>ということは聴覚だけに限らず、文字通り“全身を耳に” して、全―感覚をその場に開き拡げゆくこと、とも捉えられよう。

それは、五感に分化する以前の、私達の身体の奥底に眠っている、謂わば「原初感覚」のようなものか…?
<いま・ここ>で、英夫、きよこ、徹の三者がその身を全開にして《からだのこえにみみをすます》ことを試みる。

そのことに、観客の皆様が間近で立ち会って下されば、その感覚は自他を超えて共有出来るのではないか…?
そこにこそ、同一平面上に開かれた地平が明るく広がり、個-個が同格として全く対等に自己を解き放ち交流する可能性が存する。

私(i)と私(i)との境界を超え出で、その《間》に生まれてくる地平。
そこでは、私達をがんじがらめに縛り付けている制度から、少しだけ自由になれるかも知れない。
あらゆるものを分かち隔てる制度から。
《からだのこえにみみをすます》試み、どうかご一緒下さい。
岩下徹

「たまたまいた」というあり方も即興の一部だろうか。2人のそばに「たまたまいる」という私はここで何ができるだろう。
板坂記代子

出演アーティストプロフィール

新井英夫
体奏家、ダンスアーティスト/埼玉県生まれ。野外劇や大道芸ダンス公演などを行う身体表現グループ「電気曲馬団」を主宰し活動する傍ら、自然に沿い力を抜く身体メソッド「野口体操」に出会い、野口三千三氏から学ぶ。その後ソロ活動に転じ国内外でダンスパフォーマンスをしながら、日本各地の小中学校・公共ホール・福祉施設等でワークショップを展開。2022年夏にALS(筋萎縮性側索硬化症)の確定診断を受けた後も、ケアする/される関係を超越した活動を精力的に継続している。

  • photo by bozzo

  • 岩下徹
    <即興ダンス><交感(コミュニケーション)としての即興ダンス>の可能性を追求。1957 年東京生まれ。82~85 年石井満隆ダンスワークショップで即興を学び、83 年ソロ活動開始。かつて精神的危機から自分のからだを再確認することで立ち直ったという経験を原点とするソロダンスは、等身大のからだひとつで立つことから始まり、場との交感から生まれる即興として踊られる。代表作に、「みみをすます―谷川俊太郎同名詩より」、音楽家達との即興セッション等。1989 年より滋賀・湖南病院(精神科)で医療の専門スタッフと共に「ダンス・セラピーの試み」を継続実施中。日本ダンスセラピー協会顧問。桜美林大学非常勤講師。国際的な舞踏集団<山海塾>元 舞踏手。 https://www.facebook.com/toru.iwashita.52

  • 撮影:デオァ ライヒ

  • 板坂記代子
    山形生まれ、東京在住。大学で銅版画制作を行ったのち、2006年新井英夫の野口体操と体奏に出会い、即興をベースにした身体表現を学ぶ。身体と造形のワークショップ活動とともに「てきとう手しごと工房」と称して、かつての暮らしにあった手仕事の“成り立ち”に着目し「人の手の営み」を幅広く探求中。「手仕事×感覚遊び×カラダ×即興」がテーマ。

基本情報

日時

2024年615日(土)14:00-15:00

パフォーマンス14:0014:30
小休止    14:3014:40
トーク    14:4015:00
*トークの使用言語は日本語です

参加方法

申込は必要ありません。会場に直接お集まりください。

会場

東京都現代美術館 B2F 講堂
*天候によって変更の可能性があります

参加費

無料

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