第47回MOT美術館講座「オバケとパンツとお星さま」展関連(4)gekidanはまぐちさくらこ組○ぱんつのくに〇
企画展「オバケとパンツとお星さま」の関連企画、
第47回MOT美術館講座。全5回の内の4回目は、
「パンツ」を担当しているはまぐちさくらこさんの展示室内で、
本人による絵本絵画作品の読み聞かせを行いました。
音楽家のコテルさんの生演奏も付きました。
展示室の真ん中にドーンと置いてある「はだかちゃん」の
ぬいぐるみの上では、開始時間になる前から、
ぴょんぴょん飛び跳ねたり、ごろごろ寝転がるこども達で
あふれかえっていました。
そんな中、はまぐちさくらこさんがおもむろに登場。
「ガタン、ゴトン!」「ガタン、ゴトン!」と電車に乗っているような声を出して、
会場の皆さんの注目を集めます。
そしてはだかちゃんが履いている巨大なぱんつちゃんを脱がせて、
はだかちゃんとぱんつちゃんの旅の物語の始まりです。
今回の展示室には、四方の壁全面を覆う巨大な絵画作品が
展示されています。緑、赤、黄色そして青。それぞれの色の世界で、
はだかちゃんがぱんつのくにを旅するお話が展開しています。
作品には、小さな文字でいろいろなお話しや言葉が書かれており、
はまぐちさんは、描かれた風景やキャラクター、時に文字を読み
上げたりしながら、この巨大な絵本作品を読み聞かせてくれました。
ただ読み聞かせるのではなく、はまぐちさんがお話ししている間に、
コテルさんがハーモニカや鈴、木琴やマラカスなど簡単に音の出る楽器を
会場内のこども達に配り、それを手にしたこども達が反射的に
即興で音を出し始めました。
にわかに会場内は、楽器の音であふれかえり演奏会が始まりました。
はまぐちさんもそうしたこども達の様子や反応をうかがいながら、
「こっちに来て」とか、「この絵はなにをやっているんだろうね?」など、
言葉巧みに話しかけ、こども達を自分の世界に引き込んでいきます。
コテルさんも笛をふいたり、キーボードを鳴らしたりして、
こども達の即興演奏をつなぎます。
一方的に読み聞かせるのではなく、会場にいるこども達や時に大人も
巻き込みながら、まるで演劇を見ているかのような読み聞かせが
展開していきました。
遠巻きで見ていたこども達もはまぐちさんのまわりに寄っていって、
一緒に話の輪に加わったり、ちょっと照れくさがって周りで見ていたり、参加の仕方も様々。
決してはまぐちさんやコテルさんも参加を強要することなく、
自然な流れにまかせて話を進めていきます。
時折こども達にじゃれつかれて話が中断することも...。
山を冒険し、争いが起き、太陽が昇り目をさまし、そしてまた夜になる。
はだかちゃんとぱんつちゃんとの旅は、実に壮大です。
最後は、こども達と一緒にぱんつちゃんをはだかちゃんに履かせてお話は終わり。
パフォーマンスが終了しても、展示室内に残っている親子も多く、
「あっ!ここにさっきのはだかちゃんがいるね」「こっちもみてみよう」など、
改めて作品をじっくりと鑑賞し、親子でお話をしながらいろいろ発見している姿が多くありました。
はまぐちさんも終了後、「不思議なうずの中にいるような気持ちでできて、幸せでした」とコメントをくれました。
第47回MOT美術館講座「オバケとパンツとお星さま」展関連(4)gekidanはまぐちさくらこ組○ぱんつのくに〇
講師:はまぐちさくらこ(画家)、コテル(音楽家)
実施日時:2013年8月17日(土)、18日(日)13:30~14:00
参加者数:8月17日...136人、8月18日...193人
写真撮影:後藤武浩