ARまちあるきツアー ―MOTサテライト 2017秋
江東区観光協会と、バーチャルリアリティの研究をされている東京大学 廣瀬・谷川・鳴海研究室の協力を得て、ARの技術を使ったまちあるきのツアーが行われました。
今回はMOTサテライト会場の周辺を歩く番外編を敢行していただき、抽選で選ばれた10組の皆さんと一緒にまちあるきに同行しました。
AR(Augmented Reality:拡張現実)とは風景など、現実の情報にデジタル情報を重ね合わせる技術です。
このオリジナルソフト搭載のタブレット端末を「のぞき窓」にして、現在の深川の街並みに昭和の景観を映しだし、今と昔の風景を見比べながら江東区の観光ガイドさんと共に歩きます。
清澄白河の駅で集合。
ガイドのひとり市川信五さん。本所・深川絵図がプリントされた大判のハンカチ(深川江戸資料館で発売中)を見せながら今日のルートを説明していただきました。
本所・深川は関東大震災、東京大空襲と二度にわたって町が焼失したため古い建物は
ほとんど残っていませんが道はそのまま残っているところが多いそうです。
したがって古地図を見ながらまちあるきを楽しむことが可能なのです。
まずは清澄白河駅を出てすぐ小名木川にかかる高橋のたもとへ。
ここは1964年、東京オリンピックのときに聖火リレーランナーが通った場所。
早速タブレットを覗くと当時のリレー走者の姿をパノラマ写真で見ることができます。
当時の貴重な写真を提供くださった鈴木義智さん。
この寺を創建した仏頂禅師と親しかった芭蕉が足しげく通ったことから、芭蕉の碑が
残されています。
江戸文化と深川のつながりが垣間見える一角です。
中村学園の校舎前にて。
校舎の歴史的な姿を一望できる空撮写真を提供いただきました。
中村学園を横切り清澄庭園へ。
三菱財閥創業者、岩崎弥太郎によって竣工された清澄庭園も関東大震災で大きな被害を受けました。
施工当時は隅田川の水を引き込んだ山林泉庭園にジョサイア・コンドル設計の洋館が建てられていました。
その場所にむけてタブレットをかざすと当時の洋館の姿を見ることが出きます。
関東大震災被災後、岩崎家は庭園の半分を東京市に寄贈し、東京市は庭園に深川図書館
などを建設しました。
深川図書館の前でもARを確認。
現在の深川図書館は平成5年(1993年)に建て替えられたものですが、それ以前の建物は昭和3年(1928年)に現在の場所に移されました。
深川図書館館内には石塚まこさんの作品も展示中、またARスタンプラリー「MOT Navi」の拠点にもなっています。
その後、ツアーは紅葉のきれいな清澄庭園を抜けて仙台堀川沿いに東へ。
再び清澄通りに戻ります。
庭園を背にした清洲通り沿いには旧東京市営店舗の一部が残っています。
関東大震災の復興事業の一環として建てられた鉄筋コンクリート造りの長屋の跡が見られレトロな建物には現在はおしゃれなカフェやヘアサロン、ギャラリーなどが入居しています。
紅葉のきれいな仙台堀
半世紀前の風景と見比べてみると道、川幅は変わっていないことがわかります。
紀伊国屋文左衛門の墓がある成等院、松平定信の墓がある霊巖寺などの史跡も周りながら
最後は深川江戸資料館にて解散となりました。
約1時間のまちあるきでしたがお子さんから年配の方まで一緒に楽しんでまわれるツアーでした。
この東京大学のARシステムを使った作品「思い出のぞき窓・清澄白河」(写真:志村博)は
MOTスペースB グランチェスター・ハウスでも手にとって見ることができます。
(広報 M.Y)
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「MOTサテライト 2017秋 むすぶ風景」は11/12(日)まで!
詳細は⇒https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-satellite-2/