MOTアニュアル2014ブログ No.22 髙田安規子・政子によるワークショップ
ゴールデンウィークも終わりましたが、皆様、いかがお過ごしですか。
さて先週の土曜日、5月3日に出品作家の髙田安規子・政子さんよる「地図のミニワークショップ」を実施しました。
お二人の地図の作品といえば≪富士山≫。
富士山の地図を等高線に沿って切り取った細かな作品が、展覧会に出品されています。
このワークショップは、そうした作家の制作のプロセスの一端を、参加者にも挑戦していただこうという企画です。
髙田安規子・政子《富士山》(山頂の部分)撮影:伊奈英次
そんな細工ができる器用な人がいるのか?
やりたい人がいるのか?
・・・・という心配もありましたが、お陰様で定員をこえる応募者に、ほっと胸をなでおろす場面もありました。
さてお二人は、今回のワークショップのために、地図をテーマにした過去作品も多数ご用意くださいました。
これはニューヨークの地図。すごく大きく、細かいです。
航空路線図だけを残した地球儀も!
テムズ川を中心にしたロンドンの地図
そうした作品をお二人のレクチャー付で鑑賞した後、東京の3種の地図の中から、お好きなものを選んでいただき、ひたすらカットしていく作業に専念。
デザインカッターを使って。
みなさん、黙々と・・・。静かです。
切り取り方を説明する髙田姉妹。
「どこを残すかが重要」とのこと。
これは髙田姉妹が作ったサンプル。
道路を残して、他を切り抜いています。
わずか2時間のワークショップだったので、制作途中・・・という人も多かったのですが、みなさん力作揃いでした。
地図の裏返すと、青地に浮かび上がる不思議な模様。
東京の半分が完成しました。半分は未完成のままでも面白そう。
こちらは高速道路を残した作品?
髙田姉妹曰く、「作ってみないとわからないことがあり、切り抜いて初めて街の形が理解できる。」そうです。
参加者の皆さんの感想は、
「地図自体は同じものなのに、見る人によって、捉え方が違ったり、感じるモノが違ったりすることを、それぞれの人が地図を切っていく場所や残す場所が違うことでとても強く感じました。」
「普段、目的地に向かうための地図をこんな風に切り取ることで、思わぬ模様に出くわしました。何気ないものでも、見方によって視点が変化したり、思いもつかないような発見があるのだと気づかされました。」
そして、
「集中力が必要な作業で、思っていたよりも大変でした。富士山の等高線の作品に一年かかる意味がわかった気がします。」というものも。
驚くほど細かな作業の積み重ねによって生まれた≪富士山≫を、ぜひもう一度、展示室で。