令和3年も「セルフクルーズ―作ってみよう『〇〇の塔』」!
展示作品や美術館の建物などをテーマに、参加者の主体的な体験の場を創出するギャラリークルーズ。コロナ禍において参加者自身が鑑賞と制作を深めていくことを目的とするセルフクルーズ、「作ってみよう『〇〇の塔』」を昨年度に引き続き、今回も実施しました。(実施日時:2021年12月19日(日)10:00~15:00)
例年と比べて暖かく天候に恵まれた12月。当館エントランスを会場に、当日自由参加によるオープンワークショップ形式で開催しました。
様々な形の鋼の板を組み合わせて作られたアンソニー・カロの《発見の塔》をテーマとした本クルーズは、まず初めに《発見の塔》を観察し、塔についてのイメージを広げたら、用意されたキットを使って自分だけのオリジナルの塔づくりに取り組むという内容です。
《発見の塔》に近づいてじっくり観察したり、少し離れて全体を見たり。
参加者からは「これまで現美にはよく来ていたけど、作品としてじっくり見たのは初めて。良い機会となった」というコメントも。
塔をよく観察したら、いよいよ作品づくりスタート。まずは様々な形やサイズで用意されたベースとなるパーツを選びます。
《発見の塔》から着想を得て作られた紙パーツが制作キットとして用意されており、そのパーツを折ったり、丸めたり、切ったり、貼り合わせたりしながら塔を作っていきます。
同じパーツを使っていても、組み合わせ方次第でまったく異なる印象の作品に仕上がります。協力して1つの塔を作るご家族もいれば、一人ずつ自分なりの塔を作る人も。
完成した塔をいくつかご紹介します。
「パフェのいえの塔」
いちごのつぶつぶ感を表現したパーツを自作したり、取り外し可能なスプーンも用意された塔。すべり台があって遊べたり、ドアノブやドアがあったりと、見る角度によっていろいろ発見できる楽しい塔が完成しました。
「ゲームがたのしい塔」
落とし穴やすべり台が配された塔で、紙で作ったボールを転がして遊ぶこともできるそうです。
「ピヨピヨ塔」
可愛らしい鳥をイメージした塔。見る角度によって作品から受ける印象が違います。
「時間の塔」
用意されたパーツにひねりを加えて作られた塔です。セロテープをパーツに貼ってガラスとしても表現。また、細かく切ったセロテープを床部分に貼って、ガラスの破片として表現しました。セロテープの光沢が独特のニュアンスを生み出しています。
参加された方には、塔の記録写真を撮らせていただいた後、紙袋に入れてお持ち帰りいただきました。
アンケートには「ユニークなパーツが用意されていてやりやすかった」「久しぶりに無心になれて楽しかった」「外の光を感じながら、時間を忘れてゆったりと制作できた。こんな所で遊んでみたいということを空想しながら作れた」「他の作品を見るとき自分ならどう作るか考えるきっかけになりそう」「こどもが作っていくうちに「楽しい!」と言って、どんどんアイデアが浮かび、その様子を見ている親もとても楽しかった」などというご感想が寄せられました。
一人でご参加の方もいれば、親子やご家族で参加された方もおり、こどもから大人まで幅広い年代に渡る26人(14組)がセルフクルーズに参加しました。
コロナ禍において、オンライン上での実施だけでなく、来館される方にもお楽しみいただける企画を今後もご用意していきたいと思います。お楽しみに!(A.T)