2021年10月26日(火)

“発見”を共有すること

ミュージアム・スクール

10月に入り、徐々に学校の団体鑑賞での来館が増えてきました。
今回来てくれたのは江東区立亀高小学校の5年生です(20211014日)。
4グループに分かれ、ソーシャルディスタンスに配慮しながらMOTコレクションを鑑賞しました。展示室内での会話を交えた鑑賞が難しいため、事前に講堂で美術館やMOTコレクションに関するレクチャーを行いました。学芸員がクイズを出すと元気よく手をあげて答えてくれました。

講堂での事前レクチャーの様子

MOTコレクション1階で展示している「Journals 日々、記す」の鑑賞では、ChimPomや大岩オスカールの大きな作品を見て、こどもたち同士で気づいたことを教え合う姿が見られました。発見した動物などを伝え合ったり、近寄って観察し、作家のサインを発見した子もいました。どの子も、大きな声で喋らずに、ジェスチャーを使って発見を共有していました。

『Journals 日々、記す』を鑑賞中

続いて、3階で展示されている「マーク・マンダース 保管と展示」です。立体作品が中心の展示で、大きな作品を目の当たりにして「すごい!」と思わず声があがっていました。
友達同士で、気になるところを教えあったり、「どんな意図があるんだろう?」と友達と一緒に作品を見比べて、その共通点から作家の表現したいことをくみ取ろうとしている子もいました。「粘土に見えるけど、粘土っぽくない」と材質に注目して注意深く観察している子、着替えや脱ぎっぱなしの靴が置いてあるのを見て、「これも作品なの?」と食い入るように見ている子……立ってみたり、座ってみたり、下からのぞき込んでみたり、まわりこんでみたり。いろいろな見方で工夫しながら鑑賞している子もたくさんいました。

『マーク・マンダース 保管と展示』を鑑賞中

何かを見つけた時の嬉しさやそれを誰かに教えたいという気持ち、目くばせや身振りでも共有できること、みんなで一緒に鑑賞をして楽しそうな様子が見て取れました。学芸員や先生、こどもたちそれぞれに会話が難しい中でも、小さな声やジェスチャーなどを介して、発見や想像を共有しながら実際に作品を目にすることで、多くのことを感じ取る鑑賞の機会となったのではないでしょうか。(インターン・Y

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