2021年10月14日(木)

「学び」を止めない

ミュージアム・スクール

コロナ禍の現在、多くの小学校では校外学習が中止になっています。しかし、学校の判断で校外学習を実施しているところもあり、当館も感染対策を十分施した上で学校団体鑑賞を受け入れております。そうした中、「こどもたちの学びを止めない」という学校長の方針で、港区立青山小学校4年生が団体鑑賞に来てくれました(2021年9月30日)。ちなみに、公共交通機関は使用せず、バス2台を貸し切っての来館でした。

通常の学校団体鑑賞では、グループに分かれて各グループに教育普及担当の学芸員がついて、一緒に会話をしながら展示室を巡るのですが、現在は会話を交えた活動を中止しています。そこで、今回は事前学習として学芸員が学校に出張し、美術館や展示作品に関するレクチャーを行い、来館当日は教員がこどもたちを引率し、グループに分かれて自由鑑賞をするという方法をとりました。

鑑賞した展覧会は、「MOTコレクション」、企画展「MOTアニュアル」、そして屋外作品です。
事前学習が効果的にはたらき、こどもたちは美術館でのルールをきちんと守りながら、屋外にある体験型の作品を見つけると積極的に体験していました。例えば、上に乗り周囲の音に意識を集中させる鈴木昭男の作品《点 音》では、「鳥の鳴き声がする」「車の音も聞こえた」など、音に集中し作品を楽しんでいる姿がありました。

「鈴木昭男《点 音》を体験中」

一方、展示室では、MOTコレクションに出品されている大岩オスカールの巨大絵画作品《オリンピアの神:ゼウス》を見ながら、小さな声で画面に描かれている様々なものを見つけては隣の子に教え合う姿も見られました。

「大岩オスカール《オリンピアの神:ゼウス》を鑑賞中」

コロナ禍で学校のこどもたちが鑑賞にくる機会は減っていますが、やはりこうしてこどもたちが来てくれて、鑑賞している姿を見られるのは嬉しいものです。こどもたちの「学び」を止めない。美術館もその一端を担えればと思います。(G

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