美術館で職場体験
8月27日~29日まで3日間、江東区立深川第二中学校の2年生、3名が職場体験にやってきました。
今回の職場体験では、教育普及事業や企画展、広報業務のサポートをしてもらいました。
1日目は、小学生の団体鑑賞の見学と鑑賞の様子を記録した後に、企画展「あそびのじかん」、タノタイガ作品《タノニマス》のサポート。この作品は、壁一面にタノタイガ氏の顔をかたどったお面が展示されており、整理券をもらった来場者の方は、そのお面に色を塗ったり、布や毛糸などで飾りつけたりできます。
中学生達は、そのお面を装飾するための布を切ったり、お面を壁にかけるためのクリップをつけたり、来場者に対して、お面を被ることができることや作品作りに参加するための整理券を配っていることをご案内しました。
生徒さんは最初、来場者に対して声かけをすることに緊張した面持ちでしたが、皆さん丁寧かつ熱心に取り組んでくれて、この日に必要な布地を全て切り終えてくれました。
2日目は、企画展「MOTサテライト2019 ひろがる地図」の担当学芸員の話を聞き、作品を鑑賞した後、地図をテーマにした展示室の一角にあるワークコーナーでの活動。
このコーナーには、いくつかワークメニューが用意されています。例えば「住んでみたい街の地図を描いてください。どんなお店やどんな施設がありますか?」、「思い出せる限り古い記憶の地図を描いてみましょう。小さい頃に住んでいた街や、祖父母の家の周辺など」など。来場者がその場にある筆記具で自由に描いて参加することができます。
そして、中学生の皆さんにも地図をテーマにしたワークを考えてもらいました。
[生徒さんが考えたワーク]
・自分の街をアレンジした地図を作ってみよう!
・自分の街の未来の様子を白い紙に描いて、どんなふうに変わっているのか書いてみよう。
・自分の街の好きなところを書こう
・地図を基に迷路をつくってみよう
ワークを考えた後は、自分たちが考えたワークの実践。自身が考えたワークに苦心する様子も見受けられましたが、面白かったようです。
この日、中学生達は企画から実施までの過程を体験して、学芸員の仕事の一端を知ってもらえたのではないでしょうか。
3日目は、館内で配布する美術展のチラシの整理や広報業務についてのレクチャー。
午後は1日目同様、タノタイガ作品のサポート。この日は、完成したお面の記念撮影のお手伝いやはさみ等の備品チェックなどもしてもらいました。2回目の活動ということもあって、小さなお子さんが壁にお面をかけられなくて困っていた時に補助をしたり、展示してあるお面が傾いていたらまっすぐに直したり、この場でやるべきことを自身で判断してきびきびと行動していたのが印象的でした。
職場体験後のアンケートには「タノタイガの作品補助で、つねに、まわりに気を配り、困っているお客さんがいたら、声をかけることが大切ということが印象に残りました。」とあり、美術館での活動を通して、働くことについて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
リニューアル・オープン後、初めての職場体験となり、3日間通して館内の様々な活動を知ってもらう機会となりました。(M.N)