2018年05月16日(水)
アートカードは楽しい!
スクールプログラム
今年度はじめの学芸員の出張授業。
今回伺ったのは、葛飾区立梅田小学校(実施日:2018年5月8日)。
図工担当の教員からのリクエストは、
普段授業であまり「鑑賞」をやったことがないため、
アートカードを用いた鑑賞の実践について学びたい
というものでした。
そこで、現美オリジナルのアートカード
(コレクション作品の写真をカードにしたもの)を用いた
実践授業を行いました。
対象は、6年生2クラス。発言も積極的で、落ち着いたクラスでした。
とはいえ、一旦アートカードを用いた授業に入ると、
教室は盛り上がり、楽しい雰囲気に包まれました。
もちろん、こちらの話しを聞く時には、しっかりと耳を傾けてくれ
メリハリのあるこどもたちでした。
アートカードを用いた鑑賞の授業の際に提示している「めあて」は、
「観察すること」「想像すること」「コミュニケーションをとって
グループで活動すること」の3つ。
観察と想像は、作品を見る時の重要な要素。
コミュニケーションをとることは学習指導要領でも重視されている、
言語活動の充実にもつながります。
アートカードを用いた授業は、ゲーム性の強いものですが、
遊びの要素を用いることで、作品を「見る」ことへの
興味・関心を高めるには非常に有効です。
例えばこんな要領で授業は進んでいきます。
絵柄をみて、今の自分の気持ちを表すカードを選び、
どのような気持ちなのかを発表する。
裏返しにしたアートカードの山から2枚のカードを同時にめくり、
瞬時に作品を見比べて「どちらが美味しそうか」を比較する。
同じく、裏返しにした作品を一枚ずつめくりながら、
どんどんつなげて「ひとつの物語を作る」など。
目の前に提示されたアートカードを瞬時に観察し、想像することは、
かなり難しいことですが、こどもたちは柔軟に発想しゲームを楽しんでいました。
授業終了後、担当教員からは、
「今回の授業を参考に、5年生を対象に
アートカードの授業をやってみます。」
と前向きな発言がありました。
また、こどもたちからは、
「美術館にいってみたくなった。」
「おはなしがおもしろかった。」
などの感想が寄せられ、非常に満足度が高かったようです。
キラキラした表情で教室に戻っていったのが印象的でした。
今回の授業を通じて、鑑賞することの楽しさを、
こどもたち、教員共に感じてくれたのではないでしょうか。(G)