2018年03月30日(金)

自分をリニューアルしよう!

ワークショップ
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2018年3月3日と4日の2日間、
ワークショップ「ネオ・パーティー・キッズ」を実施しました。
その様子をレポートします!

現在、リニューアル工事休館中の東京都現代美術館。
それにちなみ、今回のワークショップでは「リニューアル」をテーマに、
こどもたちが自分自身をリニューアルするとしたら、
どういう自分に変わりたいか? 増やしたい機能は何か? 
自分が変わると世界はどうかわるか? 
などを考えてもらい、オリジナルの仮装衣装やアイテムを制作し、
「パーティー」を開いて発表しました。

「仮装」や「パーティー」という非日常的な経験を通して
創造する喜びや自分が変化していく経験をし、
他者の異なる視点を捉え、自分と世界との関係性を
考えることを目的としています。

企画・講師は、美術家の磯村暖さん。
磯村さん自身、作品の一環としてネパール移民と一緒に自宅で
パーティーを開催したり、パーティーをギャラリー空間内で再構築、
再解釈したインスタレーションも発表しています。

今回、こどもたちのリニューアルアイデアを具現化するために、
磯村さんの仲間でもある特殊造形のエキスパートもスタッフとして動員しました。
制作作業およびパーティー会場は、東京都現代美術館リニューアル準備室を使用。
普段職員用休憩室として使用している和室が、
事前にスタッフの手によってきらびやかでちょっと怪しげなパーティー会場へと改装。
この場所のことは、参加したこどもたちには、
パーティー当日のサプライズとして内緒にしていました。


【ワークショップ1日目/3月3日】
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参加したこどもたちは小4~6年生までの5名。
スタッフを紹介したのち、
磯村さんが犬の着ぐるみで登場。会場は一気に賑やかに。
着ぐるみを脱いで、早速今回のワークショップの内容について
磯村さんから説明がありました。

キーワードは「仮装」と「パーティー」。
「仮装」とは、何かになりきって表現する憑依体験、
あるいは日常の自分とは違う自分を引き出す手段、
変身願望の積み重ねであり、人間を作っていくもの。
「パーティー」は何かを祝う場であり、
いつもより少し開放的で不思議なことが起きる空間。

磯村さん自身のリニューアルとして16歳の頃から
髪の毛を染めはじめ、今は緑色にしているとのこと。
それは人に見られたいという欲望や自分にプレッシャーを
かけるためですと語ってくれました。


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次いで、こどもたちに、まず自分"リニューアル"計画&
自分"リニューアル"デザイン図を作成してもらいました。
リニューアル前の自分はどんな自分で、
リニューアル後の自分はどう変わっているのかを考え、
それを実現するための仮装衣装デザインを描いてもらいました。

ある女の子は、今の自分は要領がなくマイペースである。
それを変えるべく、頭が良くなり、手が勝手に動く。
でもマイペースでいたい。
デザイン画は、マイペースの象徴としてネコに変身し、
頭にはひらめきの電球が光る帽子を被り、
様々な事を同時にこなせる手をもったキャラクターを描いていました。

また、ある男の子は、日頃ダンスを習っているが、まだ有名ではないので、
テレビなどで取り上げられて有名になりたいという願望を派手な飾りで
装飾されたテレビ型の衣装で表現していました。

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こうしたこどもたちの考えたリニューアル後の自分を実現すべく、
特殊造形のエキスパートスタッフが、こどもたちに寄り添いこどもの意見や
アイデアを尊重しながらデザイン画に忠実に制作をサポートしてくれました。

【ワークショップ2日目/3月4日】
2日目は、前日に引き続き、仮装衣装作り。
だんだんと具現化していく衣装にこどもたちのテンションも
徐々にアップ!

昼食をとった後は、衣装を完成させ、それぞれ着飾り記念撮影。
完成した姿をご紹介します。

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「ドラゴンになって空を飛びたい!」

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「頭が良くなり、マイペース!」

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「ダンスで有名になる!」

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「ゴージャスな衣装でファッショナブルに!」

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「天才! なんでもゴザレ!!」

さて、いよいよ発表会を兼ねたパーティーの開催。
磯村さんの誘導のもと事前にスタッフの手で改装されたパーティー会場へ! 
扉を開け部屋の中を見たこどもたちは「わー!すごーい!!」と歓声を上げました。

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今回パーティーをさらに盛り上げるために、
磯村さんは、DJVJのスタッフも用意していました。
DJVJスタッフは、こどもたちの描いたリニューアルデザイン画を
事前にスキャニングし、アニメーション加工を施してくれており、
各自の発表会時に投影し大いに盛り上げてくれました。

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また、グリーンバックの小部屋も用意され、
スタッフが作成したCGの中に入り込めるクロマキー合成の映像も会場内に投影。
このクロマキー合成はこどもたちに大人気で、全員我を忘れて没入していました。

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もちろん、サポートスタッフもこどもたちと一緒にパーティーを楽しみました。

終了後、こどもたちのアンケートには、

「自分が天才だった!」(小4女子)
「みんなで協力したり、楽しく工作したのと、最後のパーティーの会場が
ごうかで楽しかった。」(小4女子)
「作る楽しさや、パーティーなど色々なことができてとても楽しかった。」(小4男子)
「リニューアルをして未来がわかった気がしてとても楽しかったです。」(小5男子)
「来年もやってほしい!」(小6女子)

などと感想が寄せられました。

今回のワークショップは、単に将来なりたいものを思い描くのではなく、
自分をどう変えたいかという今の自分との対話を通じて客観的に自分を見つめ直す
きっかけとなったようです。
そしてパーティーという刺激的な異空間で自分を表出し、互いに交流し、
発散することで、その思いはさらに昇華できたのではないでしょうか。(G)

撮影:中本那由子

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