2017年09月15日(金)

アートカードで展覧会?!

スクールプログラム
2017.9.14江戸川区立宇喜田小出張授業 040 (300x225).jpg

9月14日に江戸川区立宇喜田小学校に
学芸員の出張授業でおじゃましました。
対象学年は6年生。この学年は昨年も学芸員の出張授業を
受けています。
その時は、「鑑賞」をテーマに現代美術館のオリジナルアートカードを
もちいて、ゲームを通じて作品を見る目を養いました。
今年はその経験を活かしてアートカードを使って、
展覧会作りに挑戦してもらいました。

しかし、いきなり展覧会を作るといっても難しいため、
日頃美術館で開催されている展覧会の種類には大きく2つあることを伝えました。
ひとつは「個展」。一人の作家を取り上げてその人が作った作品を紹介するもの。
もうひとつは「グループ展」。複数の作家の作品を取りあげて紹介する展覧会。
今回使用するアートカードは複数の作家の作品であるため、
展覧会の種類としてはグループ展にあたることを説明。
さらに展覧会にはテーマがあることを伝授。
色や形、感じたことで作品をまとめたり、
物語を作って作品をつなげてみるなどのテーマ設定の例を説明しました。

画用紙を展示室の壁に見立てて、そこに分類したアートカードを貼り、
展示空間を作っていきます。
「レトロ」「人の顔」「悲しい場所」「丸い物」
「赤い絵」「カラフル」「生活」などいろいろなテーマで作品を
くくり展示してくれました。
また、一方で壮大な物語で作品をつむいでいく児童が何人もいました。

2017.9.14江戸川区立宇喜田小出張授業 1022 (300x225).jpg

一人ひとりが自分なりのテーマで展示室を作ったあとは、
グループ内で展示室をつなげて、全体を象徴する展覧会名
(○○○展)を考えてもらいました。
できあがると他のグループの展覧会の鑑賞タイム。
自分たちとは異なるテーマ設定や発想に互いに感心しながら
見てまわっていました。

授業後の児童の感想には、
「夢中になってしまった」
「色々な展覧会に行って、どのようになっているかを見てみたい」
「展覧会の仕事をする人は、楽しいだろうなと思った。想像力があがりそうだ
などがあり、実際の展覧会をつくる美術館の仕事への興味関心も
高まった様子が見て取れます。
また、担当の図工教員からは、
「自分の考えを表す姿を見ることができてよかった。
児童の展覧会のテーマや物語の発想に驚きました」
と授業の感想をいただきました。

アートカードをもちいた鑑賞の授業は、
そのほとんどがゲーム性を取り入れたものです。
教科書会社などが作成したアートカードの指導書には、
いろいろなゲームのやり方が書いてあります。
しかし、ゲームを単発で行うのではなく、
複数のゲームを組み合わせたり、
今回の授業のようにゲームでの経験を発展させて展覧会を構成する
(ちなみにアートカードで展覧会を作る例も指導書に紹介されています)
鑑賞の授業へと展開することで、
より深く作品を「見る」経験へと導くことができるのではないでしょうか。(G)

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