2017年06月16日(金)
小笠原小学校と文通はじめました!
スクールプログラム
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東京から南へ約1000kmの場所に位置する小笠原村立小笠原小学校。
今年度は、スクールプログラムの一環でこの小笠原小学校の5年生(23名)と
図工の枠で連携授業を行うことになりました。
小学校のある父島に伺うといっても、交通機関は船しかなく、
しかも概ね6日に1度しか運行していません。
そう簡単には訪問できない場所です。
そこで、小笠原小学校と教育普及担当の学芸員3名が約1年間文通(※)を行います。
題して「写真がつなぐ"船の交換便"」!!
この文通は、単なる手紙のやりとりではなく、学芸員から毎回出されるお題に
まつわる写真を撮影してもらい、学芸員も同じお題で写真を撮り互いに交換します。
こうした行為を通じて、日常の見方を変え、身近な風景を観察したり楽しんだりする
姿勢を育むことを目的としています。
5月初旬に1回目のお手紙とお題を美術館から学校に送り、
早速こどもたちはお題に挑戦し写真を撮って送ってきてくれました。
こどもたちから送られてきた写真には、学芸員がそれぞれコメントを
書いて送り返します。
さて、1回目のお題は「空」です。
こどもたちが撮影した小笠原の空をこどもたちのコメントと一緒に
いくつかご紹介します。(原文ママ)
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題《あさ日山の日の出》
「ランニングしていたら、きれいな日の出がでていたので
あさ日山でとりました。とてもきれいなのでぜひ見てください。」
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題《晴の日の空》
「ぼくは、あおぞらをとりたかったからあおぞらをとりました。
小笠原は、きれいな空ときれいな海があるので、ぜひきてください。」
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題《キセキの雨》
「雨がふりちょ水りつが約40%ふえたのできせきの雨です。
これで70%以上になりました。うれしかったです。」
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題《南国の日光》
「南国らしいヤシの木と、かがやかしい日光が上手にまざったので
この写真をとりました。
夕がたの日光ですが、光がかがやいている所を見てください。」
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題《この日世界が終わる》
「6時ごろ、家の前弟が「うわっ」と言ったので見たら
キレイなのでとった。
右の人工物を大きくだして、世界が終わるのをあらわした。
そんな色だと思いませんか?」
この連携授業を担当してくださっている図工教員からは
以下のようなコメントが届きました。
「表現方法が写真なので、かなり気楽に取り組めたようでした。
コメントもよく考えて書いていたのではっとさせられました。
それぞれが小笠原の空について自分なりに考えて撮影できたようです。」
1年間続く"船の交換便"。
こどもたちがどんな風に毎回こちらからのお題に取り組んでくれるか、
写真が届くのが楽しみです!
また様子は随時このブログでお知らせいたします。
(小笠原小学校ホームページにも連携授業の様子が紹介されています。
http://www.ogashou.ogasawara.ed.jp/)
(G)
※2014年度に現代美術館が美術家の廣瀬智央氏と教育普及担当学芸員とで企画した
ワークショップ「発見の術」プロジェクト「日・伊の『往復書簡』」の手法を
今回の連携授業用のアイデアとして引用しています。