2016年09月12日(月)
学校をクイズにしちゃう!?
スクールプログラム
休館に入り、教育普及係では学芸員による出張授業を
積極的に行っています。
授業内容も学校と相談しながら決めていきます。
今回ご紹介するのは、7月から9月にかけて全部で3回の授業を行った、
港区立青山小学校での様子です。
6年生が小学校生活最後の学び舎となる校舎の内外を使用し、
学校にまつわるクイズを作成。そのクイズを6年生以外の全児童が
解くという授業を行いました。
クイズ作り? と思われる方もいると思いますが、
クイズを通じて、日頃見慣れた学校空間を意識的に見ることで、
新たな発見や魅力、気づきの視点を獲得し、
美術鑑賞時に大切な「モノをよくみる目」を養うことをねらいとしています。
《授業1回目(7月7日)》
学芸員の自己紹介のあと、今回の授業の趣旨を説明し、
まずは現代美術館の紹介もかねて美術館にまつわるAB選択式のクイズを実施。
次に、クイズ作りのコツを知ってもらうために、
事前に用意した青山小学校の図工室のみで回答をみつける
「図工室クイズ」を実施。
回答後はクイズの中身を解説し、ものの数や名称、
先生がいつも身につけているモノなど、
いろいろな視点で見渡してみることが大切など、
どんな要領でクイズを作ればよいかを伝授しました。
次回2回目の授業までに宿題として校内外を題材に
自分たちでクイズを作るよう指示して終了しました。
《授業2回目(7月19日)》
宿題のクイズを各グループ内で精査し発表。
前回の授業を受けてものの数ばかりでなく、
学校の特長や6年生だからこそ知りうる視点で作り出された
ユニークな問題がたくさん考えられていました。
それらのクイズは、学芸員が持ち帰り3回目の全校児童で解く
クイズ大会用に内容を整え問題用紙に仕立てます。
大会当日は6年生が班長となり活動する縦割り班で行動しますが、
班長の内4名をスペシャル・クイズを手渡す「クイズマン」に任命しました。
《授業3回目(9月3日)》
夏休みが明けてすぐに全校児童対象のクイズ大会「青小検定2016」を開催。
クイズマンも目印の青小グッズに身を包んで校内に待機します。
大会のイントロでは、青山小学校を題材にしたAB選択クイズでまずは肩慣らし。
次いで縦割り班に分かれて、6年生が考えてくれた青小クイズに取り組みました。
制限時間は30分、全11問に挑戦!ちなみにクイズの内容はというと
「青山小学校の校歌の歌詞がかかれているのはどことどこ?」
「図工室にある人の顔のついた白い彫刻はいくつ?」
など学校内をくまなく巡って回答していきます。
クイズの内1問はスペシャル・クイズとなっており、
その問題は校内を動き回るクイズマンを探し出して入手しなければなりません。
ただし、運よく見つかっても手持ちのクイズ数には限りがあるため、
問題の配布が終了したクイズマンに当たった場合は、
他のクイズマンを探し出します。
全員体育会に戻って回答アワー。
正解が発表されるごとに一喜一憂する姿が見られました。
全問正解した班には、認定シールが配られました。
6年生はクイズを作った当事者ですが、班長として下級生の面倒みることに忙しく、
またクイズマンは迷子になった低学年を所属する班に引き渡す役も担うという
思わぬハプニングも発生。
終了後の児童の感想には、
「普段気が付かない見方ができた」
「みんなで協力してできてよかった」
「まわるルートを決めて効率的に動いた」
「来年もやってほしい」
という声がありました。
クイズというゲームを通じて観察力やチームワークにも
変化が見られたようです。(G)