2016年04月21日(木)
耳で作品を味わう!
ミュージアム・スクール
4月20日、新年度が始まって早々に団体鑑賞にやって来てくれたのは
江東区立豊洲西小学校の6年生35人です。
3つのグループに分かれて常設展を鑑賞しました。
常設展示室のアトリウムには、ポータブルレコードプレーヤーを使った作品
《without records - mot ver.2015》が広がっています。
プレーヤーには、金属やプラスチック、ゴムなどを使った様々な加工が
施されています。音源にレコードを使うのではなく、プレーヤーそのものが
発するノイズやリズムに耳を傾ける作品です。
まずは自由に気になるプレーヤーの音をじっくり聞いてもらいました。
いつもすべてのプレーヤーの音が鳴っているわけではありません。
鳴ったり鳴らなかったりするので、気になる音が聞こえてくるプレーヤーに
近づいて耳を傾けます。
しばらく自由に鑑賞した後、集合してどんな音があったかを聞いてみると
「電車が走っているような音」「パンチする音」
「黒板でチョークがキーッと鳴ったときの音」
「給食のとき、食器同士がこすれあう音」
といった答えがあり、一つひとつの音に注目して聞いてくれたことが良くわかりました。
実は、アーティストによって「作曲」されているこの作品。
今度はみんなで目を閉じて、この空間全体に鳴り響く音の
ハーモニーに耳を傾けました。
目を閉じて空間全体の音に集中して聞くことで、
個々のプレーヤーの音を聞いていたときとは、作品の印象が
変わる体験になったようです。
耳からじっくりと作品を味わうひと時となりました。
(A.T)