「カラダ」ワークショップ おとな編
ワークショップ2日目、中学生以上を対象としたおとな編には、
中学生から60代までの幅広い年齢層に渡る19人が参加しました。
自己紹介と準備体操を終え、高橋さんからワークショップの趣旨説明後、
鑑賞がスタート。
タイトルが明かされずに鑑賞した高間惣七《ヨット》では、
「この絵からどんなタイトルをつけますか?」との
問いかけに、『夢』や『港』などの意見が出ていました。
『港』と答えた方によると、良く見るとヨットのようなものが
見えるから『港』というタイトルを想像したとのこと。
抽象的な作品ですが、良く見ると確かにそのような形が見出されます。
スライドで9点の作品を鑑賞した後は、展示室へ移動。
中西夏之《夏のための Ⅲ》では、
プロジェクターで投影された画像を見たときには
「顕微鏡をのぞいた感じ。微生物みたい」
「瞬間接着剤のひび割れのようにも見える」
などの意見がありましたが、実際に作品を目の当たりにすると
「細胞よりも植物っぽさを感じる」
「画面左側に弧を描くような線が印象的」という発見もあったようです。
午後からはいよいよ創作開始。
靉嘔《田園》では、4~5人のグループに分かれて
作品から想像した動きを創作してもらいました。
10分ほど相談して作り上げた動きはその場で発表。
同じ作品でも、表現の仕方はグループごとに全く異なり、
それぞれの個性が光る動きが創作されていました。
おとな編では、グループワークを交えながら進行。
一人ずつ自分なりの方法で表現する作品もあれば、
グループごとに指定された作品の動きを考えたり、
全員でひとつの作品の動きに挑戦したりと
バラエティに富んだ展開となりました。
最後におとな編でも最後に発表を行いました。
行為や行動も作品になるのだ!との高橋さんの思いから、
撮影した発表の様子はDVDに編集し、後日参加者の元に『作品』として
発送しました。
高橋さんのユーモアあふれる進行で朗らかな雰囲気のもと
進行していったワークショップ。
今回のワークショップでは、展示スペースの関係や他の鑑賞者への配慮から、
展示室内での鑑賞は3点に留まり、プロジェクターで投影しての
作品鑑賞がメインとなりましたが、「カラダを通して美術作品をみる」ことが
今後作品を鑑賞する際の新たな手がかりになれば幸いです。
(A.T)
写真撮影:川瀬一絵