2016年01月05日(火)

MOT美術館講座(企画展関連)

MOT美術館講座
2015年の11月・12月に、企画展関連企画として2回にわたり
MOT美術館講座を開催しました。

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まず、「オノ・ヨーコ|私の窓から」展の関連企画として、
11月21日(土)に「前衛の源流を考える―戦前と戦後をつなぐ」と題し
レクチャーを行いました。

小野家の戦前における美術との関わりを中心に、
ロシア・アヴァンギャルドや大正期新興美術運動を専門とする
筑波大学教授の五十殿利治氏にご講演いただきました。

オノ・ヨーコの伯母の姉にあたるワルワーラ・ブブノワが執筆し、
父・小野英輔らが翻訳した「現代に於けるロシヤ絵画の帰趨に就て」。
この論文が日本にもたらしたロシアの前衛芸術について、
また、従兄弟である石井茂雄の戦後の活動についても紹介されました。

参加者をみると、「オノ・ヨーコ」展の観覧者層と同様に女性が多く、
熱心にメモを取る様子が見受けられました。
講演後にいただいたアンケートでも「今後作品を見る時の参考にしたい」
との声がありました。


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12月23日(水・祝)には、「"TOKYO"―見えない都市を見せる」展の
関連企画として、レクチャー「YMOと80年代、その文化的展開」を開催しました。

講師は劇作家、演出家、作家として活躍されている宮沢章夫氏。
本展覧会中のキーワード「文化事象としてのYMO」の展示をキュレーションした
宮沢氏は、80年代から東京のカルチャーの現場に深くかかわってきました。
80年代を象徴するアーティスト・YMOから派生した非身体的文化や、
お笑いを中心としたサブカルチャーについて、
当時の貴重な映像を交えてお話しいただきました。

宮沢氏の講演会によく来られる方にお話を振られるなど
アットホームな雰囲気の中で、鋭い論説が展開しました。
質疑応答では、放送作家の倉本美津留氏との掛け合いもみられました。

作家や研究者をお招きし、現代美術に関する講座やイベントを行うMOT美術館講座。
現代美術をより深く鑑賞する手立てになれば幸いです。(J.O.)

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