2015年09月11日(金)

こどもたちのつぶやき

ミュージアム・スクール
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今日(9月10日)は、墨田区立曳舟小学校5年生の
皆さんが来てくれました。

今回の団体鑑賞は、夏休み中に墨田区の図工の先生たちが、
研修の一環で考案した授業の実践です。
(研修の様子は、7月30日のブログ記事をご参照ください。)

内容は、学芸員と一緒に一通り作品鑑賞をした後に、
3つのグループが、それぞれ1作品を前に全員でつぶやきカードを使って
作品から感じた「つぶやき」を記し、その作品の前で発表・共有する活動です。
(写真は、つぶやきカードに記入している様子)

この授業は、曳舟小学校の図工担当の先生が学芸員のトーク体験で終るのではなく、
こども自身から発せられる「つぶやき」をもっとたくさん聞けるような授業に
したいという思いから考案されました。

日頃のトークでは、積極的な子が活発に発言しがちで、
控えめな子は、なかなか意見をいえずに終わってしまうことがあります。
でも、自由鑑賞時などに個人的に聞いてみるとちゃんと感想を持っていたりします。

このつぶやきカードの良いところは、全員がなんらかの感想・考えを記しているので、
全員の思いをひろうことができます。

実際の授業では、作品の前で学芸員が一人ひとりのカードのつぶやきを読み上げて
全体に共有しました。

カードには、具体的に発見したことや気が付いたこと、
想像したことや考えたことなどがたくさん記されていました。

授業の様子を観察していた研修中の教員からは、
「つぶやきカードを使う事で一人の時間が持てる。このことも大事」
という感想もきかれました。

とかく美術館で行われている小学生向けのギャラリートークでは、
いろいろと質問したり意見を求める事が多く、
この教員の感想のように一人でじっくりと作品と対峙する時間も
大切だとこのつぶやきカードの実践を通じて改めて感じました。
まさに「つぶやき」とはこうした一人の時間によって生み出されてくるものだと思います。(G)

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