2015年07月30日(木)

教員の夏休みパート2

スクールプログラム
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連日続く猛暑の中、図工教員の皆さんの研修会も続いています。
今日(7月30日)当館を活用してくれたのは、墨田区の皆さんです。

墨田区の皆さんは毎年夏休みに現代美術館を活用してくださり、
その都度新しいテーマを掲げ、研修内容が常に進化し続けています。

今年は美術館を活用した鑑賞授業を考え、実際にこども達を連れてきて、
その様子を見学し、鑑賞授業の充実を図ろうというのが目的です。
ですので、研修内容は2つあり、1つは「授業案の検討」そして2つ目が
「実際の授業の見学と検証」。

今日は、「授業案の検討」ということで、
代表の図工教員が考案した鑑賞の授業を
他の教員の皆さんがこどもになったつもりで実際に受け、
こども達を連れてくる当日に向けて、
その改善点などを話し合いました。

授業を考案してくれた教員の方は、教育普及担当学芸員による
トーク体験で終るのではなく、こども自身から発せられる「つぶやき」を
もっとたくさん聞けるような授業にしたいという思いがあるそうです。

通常我々学芸員がおこなっているトークにおいても、
全てのこども達が言葉を発することはなく、
言葉になかなかできない子もいます。
そうした子でも、心の中ではちゃんといろいろなつぶやきを持っています。

そこで、作品を見て感じた一言を「つぶやきカード」に書き込んでもらい、
作品の前に並べて、一人ひとりのつぶやきを学芸員が紹介することで、
お互いに感じたことを共有する手立てとする授業を行うこととなりました。

つぶやきを共有することで、友達の感じ方に共感したり、
違いを受け止める活動は作品をより深く味わうことにもつながっていきます。

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さて、本日の鑑賞授業体験では、
初めに2作品ほど学芸員がギャラリートークをしたのち、
ひとつの作品の前に集合し、つぶやきを記入するカード
「つぶやきカード」を配ります。
そして、作品から受ける印象や感じたことなどを書き記し、
作品の前にならべて、一人ひとりのつぶやきを学芸員が紹介していきました。
(上写真)

やはり一人ひとりの感じ方、見るポイントは異なっており、
皆さんなるほどねーと共感し、自分には無かった発見や気づきが得られたようです。
こども達を実際につれて来ても同じ様な効果が期待できそうです。

授業体験後の検討会では、鉛筆で書いたのでは見にくいという指摘がありました。
しかし、学芸員が一人ひとりのつぶやきを読み上げることで、
それは解消させれるのではないかという意見もでて、
このままのスタイルでやってみようということになりました。

次回こども達を連れての授業本番は9月に予定されています。
その様子もまたご報告したいと思います。(G)

教育普及ブログ