2015年07月24日(金)
教員の夏休み
スクールプログラム
夏休みに入り小学校の団体鑑賞もひとまずお休み。
かわりに図工教員の研修会の受け入れが始まり、
夏休み中も教員のみなさんは研鑽に勤しんでいます。
今日(7月24日)は、練馬区の図工教員のみなさんが
研修会で当館を利用してくださいました。
テーマは「アートカードの使い方」。
アートカードとは、作品の図版をカード状にしたもので、
昨今作品鑑賞ツールのひとつとして広く美術館や学校現場で活用されています。
現代美術館では、オリジナルのカードを手作りしたものを使用しており、
こうした教員向けの研修会などでも活用方法をご紹介しています。
今回研修会に参加した教員の中には既に授業で活用している方も
いるようですが、大半の教員が未体験。
そこで、アートカードの使用方法、特に実際の展示室にある作品と
からめた活用の紹介をしてほしいというオーダーがありました。
まずは、アートカードをつかったゲーム体験と、
アートカードを使用し育まれる力などをレクチャー。
次いで、いよいよ実際の展示作品とからめたプログラムを体験してもらいました。
アートカードに使用されている作品は絵画や彫刻など様々なものがあります。
その中から1枚だけ自分が気になるカードを選んでもらい、展示室に向かいます。
さて、ここからが本番です。
「みなさんが選んだカードのお友達を探してください。
つまり、カードのお相手、仲間を探してください」
これは選んだカードの図柄(作品)と実際に展示室にある作品との共通項を考えるというもので、
色や形といった基本的な要素の共通項でも構わないし、見て感じたことの感覚的な共通性を
探しだしたり、作品同士の物語性を創作しながらつなげても構いません。
上の写真の教員の方は選んだカードの作品がツブツブしている要素でできているので、
この絵もツブツブしているのでお友達にしましたと紹介してくれました。
他の方もユニークな視点で各自お友達を探してくれました。
このプログラムはアートカードだけを使ってもできるのですが、
展示室内でもカードゲームをしているような感覚で
楽しみながら鑑賞ができます。
この日研修会に参加した教員の感想の中には、
「カードを持ち、本物を見に行くことで、
より感動を覚えるのを体験できた」
「作品やカードから受け取ったイメージを相手に伝えるという部分が
色々な教育活動に共通している事なので今後も大切にしていきたい」
「ただ作品を鑑賞するより観る観点があった方が、より深く作品を知ろうと思えた」
「いろんな人の感性にふれることができた。自分の感性をみがくことにもなっている」
などがありました。
アートカードを手掛かりに、本物をじくりと見る感覚が
研ぎ澄まされたようです。
アートカードの使い方は、無限大。
ぜひ学校現場でも様々な使い方を考案し、授業に活かしていてほしいと思います。(G)