2015年03月11日(水)
作品を見て、まねて
ミュージアム・スクール
![蔵前小ブログ2.jpg](https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/images/%E8%94%B5%E5%89%8D%E5%B0%8F%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%EF%BC%92.jpg)
今日(3月10日)は朝から小雨が降る中、駅から歩いて
台東区立蔵前小学校4年生70人が来てくれました。
この学年は3年生の時に2013年に開催した
「オバケとパンツとお星さま」展を鑑賞しています。
今回は、図工担当教員からの提案で、
MOTコレクションで展示されている
伊藤公像《アルミナのエロス(白い固形は・・・)》を鑑賞し、
自分たちでも作品をまねて作ってみるということに
チャレンジしてくれました。
![蔵前小ブログ3.jpg](https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/images/%E8%94%B5%E5%89%8D%E5%B0%8F%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%EF%BC%93.jpg)
この作品は、アルミナと長石の粉を焼きしめたパーツを
伊藤さん自身が展示空間に並べ、形を造形していくというもので、
展示されるたびにその形が変化します。
床に並べられた作品を見てこどもたちは、
「街みたい」「流氷」「震災の後」などなどいろいろにイメージし、
また白い素材から「発砲スチロール」「小麦粉粘度」「石けん」などと
何で出来ているのかも想像してくれました。
今回は、触れる素材のパーツもいくつか用意していたので、
実際に触ってもらいました。
「想像していたより固い」「においがない」「ちょっと湿っている」など
思い思いに質感を味わっていたようです。
一通り鑑賞したあとは、いよいよ伊藤作品に挑戦です。
かといって、この場で同じ素材を焼きしめてつくることはできませんので、
白い紙を用意し、それを丸めたり、ちぎったり、引き裂いたりしながら
一人一人が作った紙のパーツをみんなで並べて大きな形をつくり
造形していく活動を行いました。
2クラスにわかれて、館内の空きスペースにそれぞれ並べて完成させました。
![蔵前小ブログ4.jpg](https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/images/%E8%94%B5%E5%89%8D%E5%B0%8F%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%EF%BC%94.jpg)
![蔵前小ブログ5.jpg](https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/images/%E8%94%B5%E5%89%8D%E5%B0%8F%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%EF%BC%95.jpg)
初めはパーツをつくることに熱中していたこどもたちも並べはじめると、
どのように配置すると面白く見えるのか、バランスや形などにもこだわりだし、
30分程の活動時間はあっというまに過ぎていきました。
![蔵前小ブログ6.jpg](https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/images/%E8%94%B5%E5%89%8D%E5%B0%8F%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%EF%BC%96.jpg)
![蔵前小ブログ7.jpg](https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/images/%E8%94%B5%E5%89%8D%E5%B0%8F%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%EF%BC%97.jpg)
完成後はお互いの作品を鑑賞しあい、
工夫した点や何に見えるかなどを語り合い活動終了。
遠目にみると新しい伊藤作品がそこに誕生したかのような
錯覚にみまわれるほどのできばえに、
MOTコレクションを担当する学芸員も感激していました。
後日学校から届いたこどもたちの感想には、
「展示する時に伊藤さんが美術館に来て、形をその時に決めて
作るという事にびっくりしました」
「何年後かになったらどんな形になるかが楽しみです」
「紙を色々な形にできて面白かった」
「くしゃくしゃがアートになるのはびっくりした」
などがありました。
作品をみて、実際に自分たちでその造形をまねてやってみる。
素材はことなりますが、作家がたどる作品制作のプロセスの一端を
実体験できたのではないかと思います。
今度はぜひ学校の体育館など広いスペースでもやってみてくださいね。(G)