2014年08月25日(月)

自分のペースで、じっくりと

ミュージアム・スクール
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インターンとして約半年がたち、現場でのギャラリートークも
任されるようになりました。
そうしたトークで、日頃意識しているのは、こどもたちとの
コミュニケーションを重視してギャラリートークを行うということです。
しかし、中学生ともなると、一人一人が作品と向き合う時間も
大切にすることを心がけています。
例えば、先日対応した古河市立三和北中学校美術部のトークでは
こんなシーンに出くわしました。

「何に見える?」と抽象的な大竹富江さんの彫刻作品の前で
生徒さん達に質問した時のことです。
ある生徒さんは首をかしげながら、じっくりと作品と向き合い、
考え、感じ取ろうとしている様子...。
他の生徒さんも、「何かには見える」と言った後、
じっくりと作品と向かい合い、鑑賞を深めている様子でした。
また、「飴細工をぐちゃぐちゃっとしたように見える」と答えた生徒さんの反応から、
頷きながら作品をじっくりと鑑賞している生徒さんもいました。

中学生と鑑賞していると、つい知っている作品情報を色々と話したくなります。
しかし、一人ひとりが作品と対話する、作品を通して一緒に見ている人と
コミュニケーションをとる、という時間は作品を前にしてしかできないこと。
なので、この時間を大切にしたいと考えています。

鑑賞を深めてもらおうと質問をした際に回答が返ってこないと不安になりますが、
そうではなく生徒さん達がどのように作品と向き合っているのか、
声を発さずとも、言葉にならずとも、色々感じている様子に気付き、
一緒に鑑賞している時間を共有することが大切なのだと感じています。

今後も生徒の皆さんが自分のペースでじっくりと、
時には友だちと話しながら、作品との対話、作品を通した対話を
楽しんでもらえるよう、トークに取り組んでいこうと思います。
(インターン K.N.)

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