カッコイイ色をつくる!
5月21日(火)、画家の内海聖史さんによる特別授業が、
豊島区立長崎小学校にて行われました。
授業を受けたのは、6年生の皆さん28人。
実は4年生の時、当館で「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」展
を鑑賞し、色彩豊かな作品の数々にふれたこども達です。
そうした美術館での鑑賞体験をふまえ、「色」をテーマに、
アーティストの授業を実現したい、という先生の相談を受け、
当館がコーディネイトを引き受け、内海さんをご紹介しました。
※授業の実施費用や材料は、学校でご用意いただきました。
内海さんは、2008年度の「アーティストの一日学校訪問」や、
今年2月にも杉並区天沼小で特別授業を行ってくださった方です。
これまでの授業の様子はこちら↓
2008年度
https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/2009/01/post_211/
https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/2009/01/post_212/
杉並区天沼小学校
https://www.mot-art-museum.jp/blog/education/2013/02/post_417/
内海さんが考えてくださった授業テーマは、「カッコイイ色」。
絵を描くための基本的な要素である「色づくり」に焦点をあて、
自分が「カッコイイ!」と思える、こだわりの色をつくろうというものです。
まずは図工室で内海さんから、ご自身の制作活動や、色についての
レクチャー。その後、体育館に移動。
くじ引きで<赤><青>< 黄><緑>など、各自が担当する色の
カテゴリーを決め、その色について、各自が「カッコイイ!」と思う色を、
絵具を自由に混ぜてつくります。
「黄色って、どうやってつくるんだ…?」
「赤からずいぶんと紫になってきた気がする…」
「全部の色まぜちゃえば、良い色が出るかもよ?」
「…なんか、変な色になった」
「色が変化してきた!」
「この色、入れなければ良かった~!」
あちこちから、色づくりに奮闘するつぶやきが聞こえてきました。
一度つくった色は、90cm×90cmのベニヤ板に、
その色を使い切るまで、ハケでどんどん塗っていきます。
納得できる色ができるまで、色づくりと色塗りをくり返しました。
大胆にアクションペインティングのように描いたり、手で塗ったり、
塗り方にも個性がみられます。
色づくり&色塗りの後は発表会。
かつて、フランスの現代美術作家イヴ・クラインが、
自ら開発した青に「インターナショナル・クライン・ブルー」
と命名したことに倣って、自分の色にオリジナルの名前を
付けて発表しました。
「アグレッシブ・ピンク」
「レジェンド・レッド」
「ポイズン・パープル」
「やみのグリーン」
など、どれもこの世に一つしかない色の名前となりました!
発表会の後は、体育館や校庭で集合写真を撮影。
並んだ板は、色のグラデーションとなります。
色々な場所で、色々な並べ方を試して楽しめそうですね。
そして最後は、教室に内海さんの作品が飾られている
というサプライズ!
作品と作家本人を前に、こども達から質問が続出。
内海さんから直接メッセージを受け取って、皆大いに
刺激を受けていたようでした。
色づくりひとつとっても、自分のこだわりを大切に
追求することで、絵を描くときの表現の幅がぐっと
広がるものだということを、体験的に学べたのでは
ないでしょうか。
自分のこだわりを大切に、今後の学校生活でも、
色々な表現活動に挑戦していってほしいと思います。
(G.I.)