2013年03月07日(木)
アーティストの一日学校訪問(石田尚志さん)レポート その1
アーティストの1日学校訪問
昨年12月から今年の2月にかけて、2012年度の
「アーティストの一日学校訪問」を、都内の6校(小学校2校、
中学校1校、高校2校、特別支援1校)にて実施しました。
訪問アーティストは、画家/映像作家の石田尚志さん。
有機的な線描による抽象アニメーションや、ライブ・
ドローイングなどを発表している、当館収蔵作家です。
今回の訪問授業は、主に16mmフィルムに直接絵を描く映像制作と、
石田さんによるレクチャーの二本柱で展開しました。
最初の訪問校、都立石神井特別支援学校(中学部)では、
環状に並べた机上にぐるりとフィルムを張り巡らせ、
ペンやインクで自由に絵を描いてもらいました。
まわりの紙にもはみだしながら、のびのびと描く皆さん。(左)
その予想以上の勢いに、石田さんもびっくり。
フィルムを巻き取り、後半は上映会。
描いた絵が、光の絵となって映写機から映し出されます。
スクリーンの前で光の絵を浴びながら、皆でポーズを取ったり、
身体を動かしたり。幻想的なひと時となりました。(右)
2校目は都立総合芸術高校。
一人4秒分(1秒=24コマ)の映像制作を体験しました。
線香でフィルムを溶かすという大胆な手法にもチャレンジ。
レクチャーでは、ご自身の制作過程についてのお話も。
無数のうごめく線が、コマ撮りという手法で生み出されて
いることなどが紹介されました。(左)
その後、全員で石田さんの映像作品を鑑賞。(右)
授業後。
作業に使った下敷き用の段ボールを回収していると…
石田さんのうごめく線のような、無数の線が描き残されていました。
誰かが、石田さんのお話を、熱心に“メモ”していたようです。
この学校は美大志望の生徒さんが多く、授業後も熱心に質問に来る姿が
印象的だった学校訪問でした。
3校目の和洋九段女子高校では、生徒の皆さんがちょうど
「時間」をテーマにした絵画制作に取り組んでいるということで、
石田さんにその作品を見てもらい、コメントをいただきました。(左)
その後、「時間を描く」というテーマのもと、現代美術の歴史を踏まえつつ、
ご自身の作品制作の歩みも絡めながらレクチャー。
10代の頃から絵画制作を始め、その後ライブ・ドローイングなどを経て、
映像表現へとたどり着いたというお話とともに、映像作品も鑑賞。(右)
皆、真剣な面持ちで石田さんのお話に耳を傾けていました。
(G.I.)
(その2へつづきます)