2010年02月10日(水)
点々の理由 墨田区立両国小学校
ミュージアム・スクール
お相撲のメッカ国技館の近くにある両国小学校の6年生が
見学に来てくれました。
都内でも数少ない標準服のある学校ということで、
みんなおそろいの紺色のブレザーです。
まずは4チームに分かれて展示室をめぐります。
リキテンスタインの≪ヘア・リボンの少女≫では、
気付いたことを聞いてみると
「かわいい」「マンガみたい」という意見のほかに、
「ブツブツがいっぱいある」という鋭い意見が上がりました。
「ブツブツはなんだろう」と聞くと、「ニキビ?」という声も。
でもよく見ると唇にも瞳にも点々があるから、ニキビじゃないようです。
さらに頬と唇は同じ赤い色を使って点々が描かれているのですが、
この女の子の頬と唇はそれぞれ何色だろうかとみんなで考えてみると、
頬は薄いピンクのような色で、唇は赤となりました。
この作品を遠くから見ると
地色の白と点々の赤い色が合わさってピンクに見え、
地色の白がほとんど見えないほど点々が集まっている唇は濃い赤色に見えるというわけです。
チームごとのトークが終わって、各自で見て回る時間になりました。
リキテンスタインの展示室には作品と向かい合う壁に張りつくようにして
作品を見る女子の姿がありました。
遠くに離れることでドットが見えなくなる瞬間を探していたのです。
リキテンスタインの絵が大きいので、
ドットが見えなくなるほどの距離をとるのはかなり難しいことなのですが、
彼女たちは「目を細めてみると点々が消えて見える!」と
見方を工夫しながら、ドットの効果を実際に体験していました。
開館当時は、単なるマンガだといわれたこともあった作品ですが、
若い皆さんたちは「美術館にあっても全然おかしくない」と言ってくれました。
両国小のみなさんは鑑賞のマナーが本当に素晴らしく、
児童数の多い団体でしたが最後までみんながルールを守って鑑賞してくれました。
また美術館に遊びに来てくださいね。
(武)