東京都現代美術館について
開館までの経緯と今日
東京都現代美術館は、日本の戦後美術を中心に広く内外の現代美術を体系的に研究、収集、保存、展示するための機関として1995年3月に開館しました。
それまで東京には現代美術を総合的に常設で展示する美術館はなく、現代の美術動向を知ることのできる施設の設立が長く望まれていました。そのような中、当館は世界の現代美術を視野に入れ、変化の激しい現代の美術動向を広く紹介するものとして、1980年代に東京都により設立が構想されました。その際当館の核となったのは、1926年に開館以来、日本の同時代美術の発表の場として重要な位置を占めていた、東京都美術館の諸活動でした*。東京都美術館において展覧会等を通して形成された、およそ3,000点の作品と58,000部の貴重な図書資料は当館に引き継がれ、今日においてもさまざまな創造活動を歴史的に考究するにあたり、奥行きと展望をもたらし続けています。
現在、東京都現代美術館では、5,800点を超える収蔵作品と総冊数にして約28万点を数える図書資料に基づき、多彩な分野を横断する国内外の現代の創造活動を積極的に取り上げることで、美術の現在を捉えるさまざまな活動を展開しています。作品や資料の収集、コレクション展示、企画展示、教育普及、さらに美術図書室の各分野において幅広い層の来館者へ向けた工夫を重ね、相互に連携し合いながら、多様な価値観の時代にふさわしい美術の探求と振興に努めています。
3つの基本方針
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文化の創造と魅力ある
メッセージの発信- 現代美術の国内外への発信
- 現代美術の保存と継承
- 変容する価値観への対応
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現代美術の普及と次世代の
担い手を育む- 優れた作品等の鑑賞機会の提供
- 現代美術の普及と子供たちの育成
- 新進・若手芸術家への支援と創造拠点化
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あらゆる鑑賞者に開かれた
美術館の実現- バリアフリー・ホスピタリティを指向するアートの拠点化
- 地域の核としての存在
5つの活動領域
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展覧会
- 企画展示
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現代美術を中心に、幅広いテーマ、ジャンルを扱った多彩な企画展を年間6~8本開催しています。国内外の新たな美術動向の紹介から、当館のコレクションとも関連した歴史的文脈の再考にいたるまで、視野の広い継続的な調査研究と諸協働に基づく質の高い企画を行い、私たちの時代の美術のあり方について新しい視点を提案し、価値を問いかけます。
展示構成においては、3フロア計約4,000㎡、フロアごとに異なる天井高(4m/6m/9m)や自然光の入るアトリウム(高さ19m)といったスケールをいかして、空間を重要な要素とする現代の創造活動を効果的に紹介し、幅広い層の来館者に向けて、作品と出会う新鮮な驚きや喜びに満ちた空間の創出に取り組んでいます。
展覧会をみる - コレクション展示|MOTコレクション
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主に1945年以降の国内外の美術の歴史を、約5,800点の収蔵作品により紹介します。2フロア計約3,000㎡の展示スペースでは、年間を4期に分けて各回およそ100点の作品で構成された展示を実施しています。体験型の作品や、現代美術の歴史を通覧する展示、時代・地域・ジャンルを横断する展示、収蔵作家の特集展示など、さまざまなテーマで紹介しています。
収蔵作品をみる
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教育普及
幅広い層の来館者へ向けたアクセスの可能性を追求し、あらゆる来館者が気軽に現代美術と対話できるように、美術と人、アーティストと来館者をつなぐ架け橋として多彩な活動を行っています。来館者の知的好奇心を刺激し、学びを誘発する「ギャラリートーク」や「美術館講座」、「ギャラリークルーズ」、「ワークショップ」などを展開し、より深い鑑賞体験へと導きます。また、学校教育と連携した鑑賞プログラム等も積極的に実施し、現代美術に親しむ機会として好評を得ています。
教育普及をみる -
作品収集
歴史的な視点から戦後美術を体系的に収集するとともに、現在の美術状況を端的に示す若手作家の作品の収集に努め、現在の収蔵作品数は約5,800点に及んでいます。各々の時代を切り拓いてきた革新的な傾向の作品が中心になっていることも当館のコレクションの魅力のひとつになっています。また、作品を収蔵し、大切に保管することは、次の世代に文化を引き継ぐための重要な活動でもあります。
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美術図書室
総冊数約28万冊の近現代に関する美術関連図書・カタログ及び美術雑誌を所有する、国内最大規模の美術専門図書室です。開かれた図書室として一般の来館者に情報を提供することを活動の目的とすると同時に、展覧会の関連資料の展示も実施しています。また、インターネット蔵書検索サービスを提供している他、貴重資料デジタルアーカイブをインターネット上に公開しています。
美術図書室をみる -
調査研究
当館のあらゆる活動の基礎として、常に新しい美術動向、社会の諸相に目を向けてさまざまな観点に基づく多角的・継続的な調査研究を行い、幅広い利用者の期待に応える、充実した美術館活動の実現へとつなげています。